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2020-12-17

【アメフト】MVPに富士通QBバードソン、38歳P吉田がオールX初選出 

MVPとオールXダブル受賞の富士通QBバードソン=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールのXリーグは12月15日、トップリーグ「X1スーパー」の2020年シーズン最優秀選手(MVP)、最優秀新人、オールX25人(オフェンス11人、ディフェンス11人、スペシャルチーム3人)を発表した。富士通フロンティアーズのQBマイケル・バードソンがMVP、ノジマ相模原ライズのQBカート・パランデックが最優秀新人に選ばれた。また、オールXリーグでは、パンター(P)に富士通フロンティアーズの38歳、吉田元紀が初選出された。

パスでチームをけん引…バードソン

バードソンは1993年12月生まれの27歳で2018年に富士通に加入し、今季が3年目。米国ではFCSのジェームズマディソン大学、FBSのマーシャル大学を経て、FCSのテネシー工科大学でプレー、パス2577ヤード、17タッチダウン(TD)という成績を残した。その後、NFLのシアトル・シーホークスのミニキャンプやCFLのB.C. ライオンズのキャンプにも参加したが入団には至らなかった。
2018年の初夏に、コービー・キャメロンの引退でQBを探していた富士通のテストを受け入団。そのままエースQBとなった。195センチ110キロの巨体ながら運動能力が高く、強肩からのパスだけでなく、ラン能力にも秀で、過去3シーズンの富士通のオフェンスをけん引してきた。
今季は、新型コロナウィルス感染症の影響で練習が不足していたが、徐々に調子を上げ、3試合でパス704ヤード、成功率61.97%、7TD、1INT、ランでは95ヤード1TDという成績を残した。特に第2節のIBMビッグブルー戦では、サマジー・グラント、トラショーン・ニクソンという主力RBのランを封じられながらパス322ヤード5TDというパフォーマンスでチームを勝利に導いた。

快足で連勝引き寄せる…パランデック


圧巻の走りで最優秀新人に輝いた、ノジマ相模原のQBパランデック=撮影:小座野容斉

圧巻の走りで最優秀新人に輝いた、ノジマ相模原のQBパランデック=撮影:小座野容斉

最優秀新人のパランデックは1994年11月生まれ。米FBSのネバダ大ラスベガス校でQBとしてプレー。188センチ88キロで、リードオプションを中心にした走るQB として3シーズン、34試合でラン728ヤード、パス1489ヤードという成績を残した。今季はチームへの合流が遅れ、開幕の富士通戦には間に合わなかったが、第2戦のエレコム神戸ファイニーズ戦から出場し、オフェンスの中心に。第3戦のIBMビッグブルー戦では97ヤードを独走するTDを見せるなど、チームの2連勝に貢献した。今季のXリーグのラッシングリーダーにも輝いた。

「黄金世代QB」からパンターに…吉田

富士通のパンター38歳吉田はQB時代から通算しても初のオールX 選出となった=撮影:小座野容斉

富士通のパンター38歳吉田はQB時代から通算しても初のオールX 選出となった=撮影:小座野容斉

オールXリーグは、25人中12人が、初選出。その中で目を引くのは、P吉田だ。日本大学では故・篠竹幹夫監督の指導を受け、ラン・パスのオプションQBとして活躍し、3年連続でパス1000ヤードを超す記録を残した。同学年は波木健太郎(早大→シルバースター)、高田鉄男(立命大→松下電工・パナソニック)という『QB黄金世代』だった。
日大を卒業後は、日産スカイライナーズでも活躍したが、チームの廃部により2007年に富士通に入社。QBとしてプレーを続け、30代半ばの2014年でいったんは引退した。しかし、当時の藤田智ヘッドコーチ(HC)に請われてPとして2016年に現役復帰。高く飛距離が長いだけでなく、コントロールも絶妙なパントで、富士通の4連覇を支えてきた。QB時代にも選出はなく、Xリーグ16年目の今季、初の栄冠となった。

富士通OL小林が最多9回目のオールX選出

MVPのバードソンを守り続けた富士通OLからはLT小林が8年連続9回目のオールX選出、LG臼井は初選出=撮影:小座野容斉
MVPのバードソンを守り続けた富士通OLからはLT小林が8年連続9回目のオールX選出、LG臼井は初選出=撮影:小座野容斉

OL小林祐太郎(富士通)が8年連続9回目の最多選出に輝いた。ポジションはLTのため、常に米国人のDE・エッジラッシャーと対戦しながら、富士通のQBの背後を守り続けてきた日本人最強のOLだ。DBアルリワン・アディヤミ(富士通)が8年連続8回目の選出で続き、TEジョン・スタントン(IBM)、ジェームス・ブルックス(IBM)が7回目の選出となった。

チーム別では富士通の9人選出が最多、以下、パナソニックの5人、オービックの4人、エレコム神戸、IBMの3人、ノジマ相模原の1人と続いた。北米出身の外国人選手は25人中11人(ビクタージャモ―・ミッチェル、ブロンソン・ビーティーは日本人枠)を占めた。

2020オールX1スーパー
■最優秀オフェンス11人
【OL】
C 上沢一陽(パナソニックインパルス/初)
G 坂口友章(パナソニックインパルス/3回目)
G 臼井直樹(富士通フロンティアーズ/初)
T 小林祐太郎(富士通フロンティアーズ/9回目)
T 柴田純平(パナソニックインパルス/初)
【TE・WR】
TE ジョン・スタントン(IBMビッグブルー/7回目)
WR 松井理己(富士通フロンティアーズ/初)
WR アルフォンソ・オヌワー(エレコム神戸/2回目)
【QB・RB】
QB マイケル・バードソン(富士通フロンティアーズ/初)
RB サマジー・グラント(富士通フロンティアーズ/2回目)
RB 李卓(オービックシーガルズ/2回目)

■最優秀ディフェンス11人
【DL】
DL トラショーン・ニクソン(富士通フロンティアーズ/4回目=DLとしては初)
DL ジェームス・ブルックス(IBMビッグブルー/7回目)
DL 佐藤将貴(オービックシーガルズ/初)
DL カーデル・ローリングス(エレコム神戸ファイニーズ/初)
【LB】
LB 田中喜貴(ノジマ相模原ライズ/4回目)
LB ハーバート・ゴンボア(IBMビッグブルー/初)
LB 趙 翔来(富士通フロンティアーズ/初)
【DB】
DB アルリワン・アディヤミ(富士通フロンティアーズ/8回目)
DB ジョシュア・コックス(パナソニックインパルス/初)
DB ショーン・ドレイパー(エレコム神戸ファイニーズ/2回目=DBとしては初)
DB ブロンソン・ビーティー(オービックシーガルズ/3回目)

■最優秀スペシャルチーム3人
K  山崎丈路(オービックシーガルズ/2回目=Kとしては初)
P  吉田元紀(富士通フロンティアーズ/初)
R  ビクタージャモ―・ミッチェル(パナソニックインパルス/初)

Xリーグでは2000年シーズンよりリーグ戦で活躍した優秀な選手を表彰し、オールXリーグチームを選出している。選考対象はX1スーパー8チーム中、今季不参加だったオール三菱ライオンズを除く7チームの所属選手で、攻撃11名、守備11名、スペシャルチーム3名の計25名が選出された。

突進するオービックRB李卓をタックルするパナソニックDBジョシュア。共にオールXに選出された=撮影:小座野容斉
突進するオービックRB李卓をタックルするパナソニックDBジョシュア。共にオールXに選出された=撮影:小座野容斉

エレコム神戸WRアヌワーをマンツーマンでカバーする富士通DBアディヤミ。アヌワーは2回目、アディヤミは8回目のオールX選出=撮影:小座野容斉

エレコム神戸WRオヌワーをマンツーマンでカバーする富士通DBアディヤミ。オヌワーは2回目、アディヤミは8回目のオールX選出=撮影:小座野容斉

QBを守るパナソニックOL柴田と、プレッシャーをかけるオービックDL佐藤。共にオールX初選出となった=撮影:小座野容斉

QBを守るパナソニックOL柴田と、プレッシャーをかけるオービックDL佐藤。共にオールX初選出となった=撮影:小座野容斉

7回目のオールX選出となったIBMのDLブルックス=撮影:小座野容斉

7回目のオールX選出となったIBMのDLブルックス=撮影:小座野容斉

富士通QBバードソンを一発で横倒しにするハードタックルを見せたIBMのLBガンボア。オールXに初選出=撮影:小座野容斉

富士通QBバードソンを一発で横倒しにするハードタックルを見せたIBMのLBゴンボア。オールXに初選出=撮影:小座野容斉

リターナーとしてオールX選出のパナソニックRBミッチェル=撮影:小座野容斉

リターナーとしてオールX選出のパナソニックRBミッチェル=撮影:小座野容斉

 

【小座野容斉】

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