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2021-01-12

【相撲編集部が選ぶ初場所3日目の一番】

初日から絶好調の大栄翔がモロ手突きから一気に出て正代を突き出し、大関総なめの3勝目を挙げた

大栄翔(突き出し)正代

この日は終盤に大波乱。3大関全員が敗れてしまった。特に貴景勝は3連敗で綱取りは絶望的。本人は「いつもと変わらない」と語っていたが、やはり綱取りの重圧があったのだろう。4日目からは気楽に伸び伸びと相撲を取ってほしいものだ。

貴景勝と仲がよく、埼玉栄高の先輩にあたる大栄翔が絶好調。先場所は2枚目で10勝も三役に上がれず、その悔しさをぶつけているようだ。初日から朝乃山、貴景勝と大関を連破し、3日目も正代を圧倒した。

大栄翔は立ち合い、両手をついて正代を待ち、立ち上がるとモロ手突きから突き起こす。もともと上体が高い正代だが、さらに起こされて大栄翔の突きに防戦一方。下からあてがってしのごうとするも、一瞬引いたところを一気に出られて完敗した。

3大関総なめの大栄翔は、「今日もよかったです。自分の相撲が取り切れたことが一番。大関3人に勝てたことは本当に自信になるので、持続させていきたい。どんな相手でも燃えていきますけど、やっぱり大関は特別です」と興奮した様子。

先場所前に右ヒジの軟骨除去手術をして、先場所もよかったが、今場所の方がさらに突きの腕が伸びて回転も速い印象だ。「ヒジはまったく問題ないです。腕の伸びがよかった。立ち合いの角度もよく、迷いなく前に出られています」と絶好調をアピール。

連勝していた関脇隆の勝も阿武咲に敗れて、三役以上で全勝力士が消えた。全勝は平幕の大栄翔、阿武咲、明生、翠富士、明瀬山の5人。今場所も大混戦となりそうだが、「大関戦と同じ気持ちで集中して、最後までこういう相撲を取っていきたい」と気合が入る大栄翔が怖い存在だ。

文=山口亜土

令和三年大相撲力士名鑑(「相撲」編集部/編)

相撲 1月号 初場所展望号(No.917)

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