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2021-01-15

【ボクシング】新人王対決は、竹田の巧さに苦しむも森が制す。

終盤、森が猛烈に連打を仕掛けた

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 14日、東京・後楽園ホールで行われたミニマム級8回戦は元全日本新人王対決。2018年度を制した日本同級14位の竹田宙(たけだ・そら、20歳=S&K)が巧みに戦い続けたが、2019年度優勝で日本同級13位の森且貴(もり・かつき、20歳=大橋)が猛追。ジャッジ三者とも77対75の3-0判定勝利を森が収めた。

 サウスポーの竹田が、攻め込む森のサイドに回り込みながら、クリーンヒットを奪っていく。特に、森の入り際に決める右フックが冴えた。

 竹田の左ストレートを気にするあまり、右フックへの意識が希薄だった森。ステップインから右を打つ際に、左腕で弾みをつけるのだが、その際に左グローブが下方に落ち、顔面が空く。その上、顔がやや突っ込むかたちになる。竹田はおそらくこの癖を読んでいたのだろう。


竹田(右)は、フットワークとサイドへの回り込みからの攻撃で森を苦しめた

 上下への打ち分けは森が多彩だった。が、強引な攻めの際に被弾することが多く、見栄えは悪かった。終盤になって、さすがに竹田の動きも落ち、そこで攻め込んだ森の手数が目立った。ジャッジがそれを評価した。

 全体的に、やりたいボクシングをできたのは竹田だろう。帰郷して、元古巣のS&Kジムでトレーニングを積んでいるWBOアジアパシフィック・フェザー級王者・森武蔵(21歳=薬師寺)の影響が多分にあるのではなかろうか。

 森はここ数戦、倒したい気迫が前面に出すぎているように思う。もっと落ち着いた、出入りをシャープに繰り返すボクシング、中間距離での戦い方をできるボクサーだけに、そこを見つめ直したい。

 森の戦績は8戦8勝(1KO)。竹田の戦績は8戦6勝(1KO)2敗。

文_本間 暁 写真_小河原友信

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