米プロフットボール・NFLのプレーオフは、現地1月17日、ディビジョナルラウンドの残り2試合があり、AFCではカンザスシティー・チーフス(第1シード)がクリーブランド・ブラウンズ(第6シード)を、NFCではタンパベイ・バッカニアーズ(第4シード)が、ニューオリンズ・セインツ(第2シード)を、それぞれ破って、カンファレンスチャンピオンシップに進出した。この結果、カンファレンスチャンピオンシップは次のとおり決定した。(後がホーム、カッコ内は日本時間)
1月24日
NFC
タンパベイ・バッカニアーズ対グリーンベイ・パッカーズ 15時5分(25日5時5分)
AFC
バッファロー・ビルズ対カンザスシティー・チーフス 18時40分(25日8時40分)
代役ヘニーが活躍、チーフス辛くも逃げ切る
カンザスシティー・チーフス○22-17●クリーブランド・ブラウンズ
絶対エース、QBパトリック・マホームズを試合途中で失ったチーフスが辛くも逃げきった。
前半はチーフスのペース。第1クオーター、マホームズが右の外を突いて1ヤードのタッチダウン(TD)ランで先制。ブラウンズにフィールドゴール(FG)を返されたが第2クオーターには、マホームズからTEトラビス・ケルシーへのTDパス、Kハリソン・バトカーの2本のFGで着々と加点した。
前半を終えて19-3、オフェンスはトータルで293ヤードと144ヤードと倍以上の差がつき、ブラウンズが得意とするランがわずか18ヤードに封じられていた。
【チーフス・ブラウンズ】第4クオーター、スクランブルするチーフスQBヘニー=photo by Getty Images
チーフスは、3年連続のAFCチャンピオンシップ進出、2年連続のスーパーボウル出場をかけて、ビルズと対戦する。
当日は、脳震とうと診断されたマホームズだが、チャンピオンシップに出場できるかどうか、現時点で確定的な情報はない。
一時は、一方的な展開となったブラウンズだったが、終わってみれば5点差。第2クオーター終盤に、QBベイカー・メイフィールドからのパスをキャッチしたWRラシャード・ヒギンスが、エンドゾーンへ伸ばしたボールを叩かれてTDになるはずが一転タッチバックとなったのが痛恨だった。
レジェンド対決を左右した22歳のビッグプレー
タンパベイ・バッカニアーズ○30-20●ニューオーリンズ・セインツ
43歳トム・ブレイディと42歳ドリュー・ブリーズ、NFLのレジェンド同士の戦いを決めたのは、バッカニアーズの22歳、デビン・ホワイトのビッグプレーだった。
序盤はセインツのペースだった。
【チーフス・ブラウンズ】レジェンドQB対決で敗れたセインツのQBブリーズ=photo by Getty Images
リターナー、ディオンテ・ハリスのビッグリターンで得たチャンスで先制のFG,次のドライブでもFGに結びつけた。
バッカニアーズは最初2度のドライブは3&アウトだったが、3回目のオフェンスシリーズで67ヤードを進み、第2クオーターに入ったところで、FGを決め3点を返した。
更に、直後のセインツのオフェンスで、ブリーズのパスをインターセプト、ゴール前3ヤードまでリターンした。ブレイディはこの機を逃さずWRマイクエバンスにTDパスを決め、バッカニアーズが逆転した。
追うセインツは第2クオーター6分、QBにRBアルビン・カマラを入れたワイルドキャット隊形で、右のレシーバーにセットした、元バッカニアーズのエースQBジェイミース・ウィンストンからロングパス。トレクワン・スミスがキャッチして、セインツが再びリードを奪った。
【チーフス・ブラウンズ】レジェンドQB対決を制したバッカニアーズのブレイディ=photo by Getty Images
しかし、バッカニアーズは、前半終了間際にFGを決め、13-13の同点で後半へ。
第3クオーター、ブリーズのTDパスでリードしたセインツだが、次のオフェンスシリーズで、パスをキャッチしたTEジャレッド・クックが、ボールをパンチされてファンブルロスト、バッカニアーズのLBホワイトがリカバーして18ヤードをリターンした。バッカニアーズは、このチャンスをブレイディがTDパスに結びつけ、同点としたた。
第4クオーター、バッカニアーズは、RBロナルド・ジョーンズのランで攻め込み、FGで3点のリードを奪った。
追うセインツ、ブリーズがRBカマラを狙ったパスを、バッカニアーズLBホワイトがインターセプト、レッドゾーンまでリターンする。バッカニアーズはこのチャンスを逃さず、最後はブレイディが残り1ヤードをスニークでTD。セインツを突き放した。
最後の望みをかけたセインツの攻撃も、ブリーズのパスがインターセプトされ、決着。レギュラーシーズンでは連勝したバッカニアーズに、最も重要なポストシーズンゲームで苦杯を喫した。
【チーフス・ブラウンズ】殊勲のビッグプレーを連発、チームメートから祝福されるバッカニアーズLBホワイト=photo by Getty Images
終盤でビッグプレーを連発したホワイトは、2019年ドラフト1巡全体5位でルイジアナ州立大から入団。今季140タックルながら、パスカバーにも優れたバッカニアーズディフェンスの中軸だ。ブレイディとブリーズが大学時代に最初に対戦した時は1歳8カ月の幼児だったホワイトの活躍が、バッカニアーズのチーム史上3度目のカンファレンスチャンピオンシップ進出を呼び込んだ。
ブレイディとしてはチャンピオンシップは、AFCを含めて、14回目、この10年で9回目のチャンピオンシップとなった。
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