close

2021-01-22

【相撲編集部が選ぶ初場所13日目の一番】

結びの一番、攻めていた正代が右からまともに叩いたところを隆の勝に一気に出られるも、右足一本で残して叩き込んだ

全ての画像を見る
正代(叩き込み)隆の勝

12日目を終えて、優勝争いのトップは2敗で正代、大栄翔の2人。2位グループが4敗と2差がついているだけに、この2人に絞られてきた。

先に土俵に上がった大栄翔は、竜電を一方的に突いて出て、押し出して2敗を守る。正代は結びで関脇隆の勝と対戦。過去の成績は2勝2敗の五分。正代にとっては強敵だ。

立ち合い、いつものように胸から当たった正代。隆の勝の低い当たり、モロ手突きに下がらず下から起こして前に圧力をかけていった。しかし、攻めていながら不用意に右からまともに叩き、そこを一気に隆の勝は前に出た。正代はたちまち土俵に詰まり、右足一本で残して左から叩き込み。際どい相撲に式守伊之助の軍配は隆の勝に上がりかけたが、すぐに正代を差す「まわしうちわ」。物言いがつき協議の結果、隆の勝の手が先についており、軍配どおりで正代の勝利となった。

「引いてしまったのはよくなかったですね。ああいうふうになるのは、押し込まれているということなので、なくしていかないと。それでも勝てているので体の反応はよかった」と振り返った正代。VTRをじっくり見れば本人もわかると思うが、決して押し込まれてはいなかった。楽に勝とうとして叩いてしまったのだ。勝因は攻め込んでからの引き技だったので、後ろに余裕があったことだろう。

この1年、何度も優勝を争ってきて、そういう状況に慣れてきている正代だが、緊張感は強いそうだ。「終わりが見えてきて、もう落とせないなという気持ちは強いです。並んでいる力士がいるので、まだ気は楽なんですけどね。今のところは夜も眠れてますし、いい感じに緊張感と付き合えているのかなと思います」と語る。

大栄翔との優勝争いについては、「もう当たって負けている相手ですからねえ。千秋楽で決定戦に持ち込めたらいいですね。残り2日、3番取ってもいいように体のケアをしていきたいです」と意気込む。

正代の14日目の相手は照ノ富士。大栄翔は玉鷲だ。泣いても笑っても残り2日。どんな結果が待っているのか。

文=山口亜土


  大相撲初場所13日目 幕内取組結果

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事