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2021-03-14

【ボクシング】ノンストップアクション! ロマゴンが僅差判定を落とす

果てしなく続くパンチの応酬。エストラーダ(左)が上回ったとジャッジは見た(Photo: Ed Mulholland/Matchroom)

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 13日(日本時間14日)、アメリカ・テキサス州ダラスのアメリカンエアライン・センターで行われたWBAスーパー世界スーパーフライ級チャンピオン、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)対WBC世界同級チャンピオン、ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)の王座統一戦12回戦は、両者が休みなくパンチを応酬する大激戦の末、2-1の判定でエストラーダに凱歌が上がった。

 コンピュータ集計によると、パンチの総数はふたり合わせて2500超。ともに休みなく拳を振るい続けた。そのまま戦い終えた12ラウンドの後、3人のジャッジが下した判定は、WBCチャンピオンに幸いした。場内からはブーイングが飛び、テレビ解説のクリス・マニックス始め、ゴンサレス優位の見方も少なくなかったが、競った戦いだったのは確かだ。

 最初にペースを作ったのはエストラーダだった。得意の連打速攻から、手数で上回りポイントを積み立てていく。日本では『ロマゴン』の愛称で親しまれるゴンサレスも2ラウンド中盤から、ストレート、オーバーハンドとさまざまな角度で打ち込む右のタイムリーショットを連発して巻き返す。一進一退の攻防が始まった。

 序盤戦はゴンサレスが出方をうかがうように手が出ない時間帯があり、そのたびにメキシカンはアッパーカット、大きくループする左右をきっかけにコンビネーションを展開していく。ミニマム級から4階級制覇してきたニカラグア人は、右ストレート、左フック、ボディショットですぐに切り返した。

 中盤過ぎまでは、先手を取って攻めて出るエストラーダが、より多くのラウンドでポイントを奪っていたかもしれない。しかし、8回以降、わずかにスローダウンした攻防から、より光って見えたのはゴンサレスのうまさだった。右ストレートを軸にクリーンヒットを重ねる。最終ラウンド、残り1分を切ったころ、やみくもに出てくるエストラーダに右をカウンターし、その足もとを揺らすシーンもあった。
ゴンサレスの右ストレート。このパンチが再三ヒットしていた(Photo:Ed Mulholland/Matchroom)
ゴンサレスの右ストレート。このパンチが再三ヒットしていた(Photo:Ed Mulholland/Matchroom)

 判定はふたりのジャッジが115対113でエストラーダ、ゴンサレスそれぞれを支持し、残るひとりが117対111でエストラーダの勝利としていた。ゴンサレスのインサイドからのクリーンショットではなく、エストラーダの外から狙った大きなパンチが評価されたのだろうか。

「勝つために十分な戦いはできたと思う。ローマンは偉大な選手。どちらが勝っていたかわからなかったが、残り2ラウンドは倒さなければいけないと思って攻めていた」とエストラーダ。ゴンサレスは「すばらしい戦いはできたと思う。勝ちでも負けでも結果には満足している。最後はジャッジが決めることだから」と言いながら、リングの上で涙をこぼした。
2-1のきわどい判定でエストラーダは王座統一とともに雪辱を果たした(Photo:Ed Mulholland/Matchroom)
2-1のきわどい判定でエストラーダは王座統一とともに雪辱を果たした(Photo:Ed Mulholland/Matchroom)

 王座統一とともにWBCタイトルの3度目の防衛に成功したエストラーダは45戦42勝(28KO)3敗。ライトフライ級時代の2012年に敗れた一戦の雪辱を果たしたことにもなる。WBAスーパー王座2度目の防衛に失敗したゴンサレスは53戦50勝(41KO)3敗。

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