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2021-03-26

【ボクシング】次戦は6月、ラスベガス。井上尚弥が「熱い試合を見せる」とコメント

井上尚弥の防衛戦は6月はアメリカ・ラスベガス開催が決定的になった(Photo:Getty Images)

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 WBAスーパー・IBF・リング誌世界バンタム級チャンピオンの井上尚弥(大橋)が6月19日、アメリカ・ネバダ州ラスベガスで同1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)と対戦することが決定的になった。井上のアメリカでの活動をガイドルするトップランク社の総帥、ボブ・アラムが、アメリカのメディアに明かした。

 待ちに待ったニュースだった。アラムが現段階では「正式発表ではない」と断った上でのコメントだったが、具体的な日時、開催都市が明かされており、確定的と言っていいのだろう。大橋秀行会長もまだ正式にサインはしていないとしながらも、アメリカでの報道のとおりに大筋で合意していると語った。井上自身も大橋ジムをとおしてコメントを出している。

『前戦から7ヵ月空きましたが、ようやく目処が立ち嬉しく思います。IBFの指名試合になりますが油断なく仕上げます。楽しみにしてくれているファンのためにも熱い試合をお見せします。応援宜しくお願いします』

 井上の次期対戦者としてダスマリノスの名前は、早くから上がっていた。アラムによると、最初は日本開催で準備していたものの、新型コロナ流行対策での日本のルールがネックになった。「入国後2週間。隔離された環境で過ごさなければならない」から外国人選手の入国は難しい。そこで、アメリカ開催に方針を変更したという。

 ただ、ネバダ州で戦うにしても、問題が完全に解決しているわけではない。世界最大のギャンブルシティのボクシング興行は、今も観客動員が認められていない。トップランクは5月22日にラスベガス市内で世界スーパーライト級4団体統一戦を計画しているが、有観客での開催で環境を整えている途上。「観客を入れられるかどうかがはっきりしないと、井上の試合も正式にアナウンスできない」としている。

 ダスマリナスは28歳のサウスポー。33戦30勝(20KO)2敗1分の戦績を持ち、現在12連勝を続けている。2019年3月、IBF挑戦者決定戦でケニー・デメシリョ(フィリピン)に判定勝ちした半年後に1戦しているだけで、その後はブランクが続いている。一発強打には定評があり、井上としても決して油断できない相手ではある。

 なお、アラムは井上の今後についても語っている。「それは本人次第」としながら、複数のプランを明かした。昨年4月に計画されながらパンデミックの影響で流れたWBOチャンピオン、ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)戦も実現のために動くという。タイトル戦が予定されているWBCチャンピオンのノルディーヌ・ウバーリ(フランス)対ノニト・ドネア(フィリピン)戦の勝者と対戦する可能性もあるとしている。「ウバーリが勝てば、彼のプロモーター(ジェローム・アビテボウル)とは近い関係にあり、交渉は難しくはないだろう」と述べている。アラムは井上が階級を上げる可能性も示唆しており、「それらを含めて、6月に井上側とすべてを話し合うつもりだ」とした。

 次戦のみならず、その先の路線までも視野に入れたアラムの応答には、井上への大きな期待がにじんでいた。

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