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2020-07-13

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ザムスト開発者に聞く「インソールがプレー向上をサポートする理由」

足はすべてのスポーツの基本だ。
「走る」「跳ぶ」という動きの源であるのはもちろん、「投げる」「打つ」という上半身の動作も、じつは足から得たパワーを利用している。
そんな考え方をベースにして、靴のインソールを開発してきた職人がいる。
今年2月に発売したザムストのインソール「フットクラフト・クッションド」シリーズ4商品を2年かけて開発した日本シグマックスの溝井健太郎さんだ。
なぜインソールにこだわるのか、スポーツにおいてどんな好影響が期待できるのか、教えてもらった。

靴に高機能インソールの力をプラスする

――もともと靴にはインソールが備わっていますが、あえて別のインソールに変える利点はなんですか。

溝井 日常生活においても、スポーツにおいても、足は体全体のバランスに大きな影響を与えています。たとえばランニングでは、足の状態が悪かったら、必要以上に横へブレる走りになってしまうかもしれません。ブレた状態が続けば、かからないはずの負荷が体にかかって、ケガを招いてしまうおそれもあります。

高い機能を備えたインソールは、様々な悩みの原因になる足元のトラブルを防いで、足が正しく機能する状態をつくるサポートができるんです。

――では、足のよい状態について教えてください。

溝井 私たちは、足指を上げたときに足裏のアーチが上がった状態をいい状態だと考えています。足裏のアーチは地面に足をついたときの衝撃を吸収したり、その衝撃を反発力に変えて前に進む力に変える役割を持っています。足裏のアーチの低い、高いがよしあしではなく、足裏のクッション性が高いのがよい状態なんです。

――しかし、足裏のクッション性をよく働かせることができない人もいる、ということですね。

溝井 はい。たとえば、偏平足の方のなかには、そもそも足裏のアーチ機能がうまく働いていない人がいます。偏平足ではない方でも運動して疲労がたまってくると、アーチが低下してしまうので、クッション性が下がりパフォーマンスが落ちてしまいがちです。

――足裏のアーチ以外に大事な箇所はありますか。

溝井 アーチの支点となるカカト部分も大事です。接地するとき、カカトがグラグラしてしまったら、体全体もグラグラしてしまいますよね。足の重心は、カカトの外側から拇指球へと内側に移動するのが正常なのですが、足裏のアーチが機能していなかったり、カカトの骨が傾いていると、重心移動が直線的だったり、外側すぎたりといったことが起きてきます。

――そこでザムストは、これまで足裏のアーチをサポートし、カカトをしっかりホールドする機能が高い「フットクラフト」シリーズ3商品を提供してきたわけですね。

溝井 はい。こちらの商品は、インソールによってどんな方の足にもしっかり足裏のアーチをつくり、トラブルの解決を狙った商品です。アーチの支点となるカカト部分は、深くてちょっと固いパーツでつくってあるのが特徴で、着地時のカカトのブレを押さえてくれます。

新商品「フットクラフト・クッションド」シリーズは「衝撃吸収」が特徴

――では、溝井さんが手がけた2月に新発売のインソール「フットクラフト・クッションド」シリーズ4商品は、これまでの商品と何が違うのでしょうか。

左上からfor sports,for run。左下からfor walk, for spike

溝井 「衝撃吸収」に特化した点ですね。じつはプレーヤーがインソールを使ってみようかな、と思うときは、体の悩みを持ったときが多いんです。ヒザが痛いとか、足首が痛いとか…。そういった悩みは衝撃吸収が原因になっていることが多いので、それならインソールで不具合を解決してあげたい、価格的にも手に取りやすくしてあげたい、そういう思いから生まれたのが、今回の新商品なんです。

――4商品は運動別に種類が分かれていますね。一つずつ特徴を教えてください。まずは「SPORTS」から。

溝井 いろんなスポーツに対応できる、衝撃吸収する低反発性のパッドをカカトと前足部に入れたタイプです。カカトからドンと着地したときの衝撃を吸収するだけでなく、ジャンプしたり、横へ動いたりと、前足部を使う動きの衝撃にも対応しているんです。バスケットボールやバレーボール、ラケットスポーツにも向いていると思います。

【Footcraft Cushioned for SPORTS】

――「RUN」の特徴は。

溝井 こちらは、もちろんランニング向け。カカトの部分で衝撃吸収するのは「SPORTS」と同じですが、違うのは前足部。ランニングは前へ前へと進む動きの繰り返しなので、前足部はおもに足を蹴り出すために使います。そこで前足部には高反発性の素材を入れました。カカトで衝撃を吸収し、前足部で推進力を出すための素材を採用したんです。

【Footcraft Cushioned for RUN】

――まっすぐ前に進むという点では「WALK」も「RUN」と同じですが、この2商品の違いはなんですか。

溝井 歩くときは「RUN」ほど、前足部での強い蹴り出しは必要ないので、前足部には反発材を用いず、カカトの衝撃吸収性を大事にしてあります。さらに「WALK」の特徴は、インソール表面に起毛素材を使ったこと。靴下をしっかりとらえるので、靴のなかで足の滑りが少なく、効率的に歩けるため、疲労の対策になります。肌触りもいいんですよ。 

【Footcraft Cushioned for WALK】

――「SPIKE」は他の3足のように衝撃吸収材を使っていないのですね。

溝井 そうなんです。野球やラグビー、サッカーなど、スパイクタイプのシューズは、履いたときに突き上げられる感覚を足裏に持つ方が多いんです。そこで、その突き上げ感を軽減してあげようというのが「SPIKE」です。インナー全体が硬めの素材になっていて、たくさんの点を面で受けてあげるので突き上げ感が軽減されるはずです。

【Footcraft Cushioned for SPIKE】

――4商品の開発で難しかったことは、何ですか。

溝井 履き心地のよさの実現ですね。じつは衝撃吸収を目的にした他社製品は、厚みがありすぎて靴に足を入れたときにきつかったり、ゲル素材を使ったため、重い商品が非常に多いんです。 

そのため、この商品は、衝撃吸収性と同時に「軽くて薄い」も求めました。そうすると、耐久性を実現するのが難しかったのですが、最終的にシューズの寿命と同じくらい耐久性がある商品をつくることができました。

――最後にどんな人に使ってほしいか、教えてください。

溝井 「フットクラフト・クッションド」シリーズは、体に悩みがある人やケガを予防したい人がメインターゲットですが、インソールって本当に役立つのかな、と思っている人にも積極的に使ってもらいたいですね。正直、足裏のアーチサポート機能は、既存商品のほうが高いのですが、こちらの商品から衝撃吸収のよさを知って「インソールを変えると、こんなにいいんだ!」ということを感じてほしいです。

今回の取材に応じた

日本シグマックス株式会社
商品企画開発部
溝井 健太郎さん

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