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2021-05-14

井上尚弥が来月ダスマリナス戦に向け会見。「しっかり勝って“もの凄い戦い”へ」

サウスポー対策を入念に繰り返してきた ※4月撮影

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 6月19日(日本時間20日)、アメリカ・ネバダ州ラスベガスのバージンホテルズで、“聖地第2戦”に臨むWBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン井上尚弥(28歳=大橋)が14日オンライン会見。IBFの指名挑戦者でWBA8位のサウスポー、マイケル・ダスマリナス(28歳=フィリピン)撃退に向けて、万全の調整をアピールした。

「気をつけるのはバッティングだけ」。尚弥はキッパリと言い切った。昨年10月31日(日本時間11月1日)のラスベガス初戦、ジェイソン・マロニー戦を終えて以降、サウスポー対策をみっちりとこなしてきた。その充実ぶりは「高いレベルで安定している」と父・真吾トレーナーも太鼓判を押す。大橋秀行会長も「前戦からまた一段も二段も強く、巧くなっている」と唸るほど。「どんな展開になっても対応できる。攻めても守っても、どちらのかたちになっても倒す準備はできている。感覚的なものですが、相手の動きに的確に反応でき、自分の当てたいパンチを的確に当てることができている」と尚弥が自賛するのだから、そのレベルが窺い知れよう。

サウスポーとの対峙の仕方を、丁寧に説明してくれた ※4月撮影
サウスポーとの対峙の仕方を、丁寧に説明してくれた ※4月撮影

 モチベーションを上げる理由が“この先”にある。今月29日、WBC王者ノルディーヌ・ウバーリ(34歳=フランス)とノニト・ドネア(38歳=フィリピン)が激突。8月にはWBO王者ジョンリエル・カシメロ(31歳=フィリピン)とWBA正規王者ギジェルモ・リゴンドー(40歳=キューバ)が雌雄を決するが、「この勝者たちとの対戦という夢のカード実現への大きな試合」(大橋会長)となるからだ。

「今度の試合にしっかり勝って、年内にもう1試合。来年の春ごろに、4団体統一」というのが尚弥が思い描く道程。WBSS(ワールドボクシング・スーパーシリーズ)優勝後、自身の心を高めてきたのは“バンタム級4団体統一”であった。そして、「プロデビューから7年。35歳まで現役をやると仮定して、ここからの7年は“もの凄い戦い”になる」(尚弥)。

 4団体統一、スーパーバンタム級、フェザー級進出……と、名だたる強豪とのビッグマッチの連続が予想される。「自分がどれだけ強い選手と戦っていけるか。これからはその一つひとつを楽しんでいきたい」と、尚弥は嬉々として語る。世界のトップ・オブ・ザ・トップが争う“パウンドフォーパウンド”で上位にランクされる“ナオヤ・イノウエ”だが、その中でもナンバーワンの称号を戴くバトルへと突入していくのだ。

 ファンの期待、希望も途方もなく膨らんでいくばかりだが、とにもかくにも、まずは目前のダスマリナスだ。「ここからの1ヵ月はケガをしないよう、気を抜かずに。KOに対してのこだわりはどの試合もありますが、前回のラスベガスの経験もあるので、今回はもっとリラックスして、良い戦いを見せられると思う」(尚弥)。

「モンスターらしい圧倒的KOで、みんなを驚かせてほしい」と大橋会長が高い期待を込めれば、尚弥も「ラスベガスのお客さんの心をグッとつかんで帰ってきます。日本のファンにはテレビを通して、勇気と元気を与えられる試合をします」と呼応する。今後はフェザー級のホープ木村蓮太朗(23歳=駿河男児)とのスパーリングで最終調整をこなし、前回と同じメンバーで、試合10日前に現地入り。決戦に臨む予定だ。

 なお、試合の模様は前戦同様、WOWOWで生中継、フジテレビ系ゴールデンタイムでディレイ中継される。

文&写真_本間 暁

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