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2021-07-08

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所5日目の一番】照ノ富士、5連勝で白鵬と並走

前日とは打って変わり、落ち着いた取り口で北勝富士を一蹴した照ノ富士

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照ノ富士(小手投げ)北勝富士

この日から人気力士の遠藤が左足を負傷して休場と寂しいばかり。4日目まで平幕でただ1人全勝だった玉鷲に土がつき、勝ちっ放しは照ノ富士と白鵬の2人だけとなった。

照ノ富士は北勝富士と対戦。照ノ富士が幕内に復帰してからは5連勝中も、初顔から3連敗している。苦手な押し相撲で馬力のあるタイプ。しかも北勝富士は幕内屈指のツラ相撲で、前日に勝っているだけに侮れない。

立ち合い、低く当たっていった北勝富士だが、照ノ富士の左がのぞくと、これを嫌って下がりながら右に回り込む。右ハズ押しで起こそうとしたが、照ノ富士が右を差してカイナを返すと北勝富士の左がバンザイ。ここで勝負は決まった。照ノ富士は左から引っ張り込んで、相手の動きを止めると、前に出てからの左小手投げで転がした。

前日の大栄翔戦は相手の攻勢に慌ててバタバタした相撲になったが、この日はどっしりと構えて慌てなかった。

「落ち着いて前に攻めようとしたので、思いどおりだった。落ち着いてやろうと思っていた」と照ノ富士。前日の辛勝を教訓に、本来の相撲で5連勝を飾った。

綱取り場所で序盤の5日間を無傷で乗り切ったが、「まだ始まったばかりなので、これからです。一日一番に集中してやるだけ」と浮かれる様子もなく気を引き締める。

白鵬は逸ノ城に左上手を取られてヒヤリとしたが、これをうまく切ってモロ差しから寄り切って5連勝。朝乃山は謹慎休場で、貴景勝は首を痛めて途中休場。正代は5日目も敗れて黒星先行と、照ノ富士に対抗できるのは白鵬しかいない。あとは1敗の関脇御嶽海がどこまでついていけるか。優勝の行方は早くも照ノ富士と白鵬の2人に絞られてきた。 

文=山口亜土

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