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2021-07-14

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所11日目の一番】豊昇龍、正代に連勝し勝ち越し決定

先場所、外掛けで正代を破っている豊昇龍が今場所も外掛けから寄り倒して連勝、勝ち越しを決めた

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豊昇龍(寄り倒し)正代

終盤戦に入り、全勝の白鵬と照ノ富士は残りの5番、役力士との対戦となった。それぞれ小結若隆景、関脇御嶽海を難なく退けて全勝をキープ。ただ1人2敗だった琴ノ若が敗れ、後続と3差がつき、完全に2人の一騎打ちとなった。

全勝の2人に当ててほしかった西5枚目の豊昇龍は、大関正代と対戦。正代は先場所の初顔の一番で外掛けに敗れており、今回も豊昇龍の足技に苦しめられた。

立ち合い、豊昇龍の低い当たりを受け止めると右を差して前に出た正代。しかし、土俵際まで押し込んでから引いてしまい土俵に詰まる。左下手投げでしのごうとするも、豊昇龍は右外掛け。バランスの崩れた正代を切り返し気味に寄り倒して正代に連勝。勝ち越しも決めた。

「11日目の勝ち越しは初めてなのでうれしいです。当たって前に攻めたら何とかなるかなと思っていた。体がいい感じに動いてくれた」と満面笑みの豊昇龍。足技が得意なだけにヒザの悪い白鵬や照ノ富士と当てていれば、面白い取組が見られたのではないか。

敗れた正代は、「先場所負けている悪いイメージがあって全体的に硬かった。対応も悪かった」とガックリ。引いたのが一番の失敗だったが、「差さりが甘くて、やりづらかったので引いてしまった。足技は意識していて、警戒はしていたんですけど……」と反省。

「投げは打たないようにと思っていた」そうだが、投げでしのぐ展開に持ち込まれてしまった。これで正代は6勝5敗。「序盤で落としたので、後半に苦しくなった。残り4番、思い切りいけたらいいかなと思う」と語っていたが、白鵬、照ノ富士戦を残し、勝ち越せるか微妙になってきた。大関に上がったころの勢いを思い出してほしい。

豊昇龍は叔父さん(朝青龍)ほどの大物感はないと思っていたが、体も大きくなって幕内上位の力がついてきた。あと10キロ増えて今のスピードで取れれば、大関も夢ではない。兄弟子の明生も大関を狙える力がつきつつあるので、2人で切磋琢磨していけば、面白い存在になれるだろう。

文=山口亜土

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