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2021-07-17

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所14日目の一番】照ノ富士14連勝、横綱昇進もほぼ確実か

対戦成績でリードされる天敵の髙安を寄り切り14連勝、綱をほぼ手中にした照ノ富士

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照ノ富士(寄り切り)髙安

今場所一番の目玉だった照ノ富士の綱取り。優勝か優勝に準ずる成績なら昇進だが、13連勝したことで濃厚となった。14勝目を挙げれば確実となるだろう。大事な14日目は天敵の髙安との対戦が組まれた。

過去の対戦は髙安の12勝8敗。照ノ富士が復帰してからも髙安の4勝1敗で、先場所は照ノ富士が勝利したが、相撲内容は髙安が上だった。髙安に右を深く差され、腰に食いつかれて横から攻められるのがいつものパターンで、照ノ富士は何とかその攻めを阻止したい。

立ち合いは両者低く当たって差し手争い。髙安が突き起こして右を差していい形になるが、照ノ富士もイナシで崩して再び離れる。突っ張り合いから照ノ富士は左上手を取ると、横向きの髙安を一気に土俵外へ運んで、無傷の14連勝を達成した。

「焦らないで落ち着いて取れたのでよかった。当たって前に出ることしか考えてなかった」と照ノ富士。これで千秋楽の結果に関係なく、横綱昇進がほぼ確実となったが、「特にはないです。自分の中では必死にやっているだけなんで」と千秋楽の一番に集中する。

千秋楽結びは白鵬との決戦が待っている。対戦は4年前の夏場所以来。序二段から再起したとき、もう一度白鵬と対戦したいという夢を抱いて頑張ってきた。「自分の今できることを精いっぱいやりたいと思います。明日1日、頑張ります」と会場をあとにした。

白鵬は最後の仕切りを土俵際まで下がって立つ奇策で正代を惑わせ、最後は浴びせ倒して全勝をキープ。こういう立ち合いをするということは、かなり右ヒザの状態が悪いのだろう。白鵬はリモート取材にも応じなかった。
 
これはあくまでも個人的な想像になるが、白鵬が15日間を皆勤するのは今場所が最後になるのではないか。土俵人生を有終の美で終わらせたい白鵬と最強の力士に勝って横綱昇進を決めたい照ノ富士。泣いても笑ってもあと1日で終わる。9年ぶりとなる千秋楽全勝決戦はどんな結末が待っているのだろうか。静かに時を待ちたい。

文=山口亜土

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