close

2021-07-23

【ボクシング】「25歳までに世界獲る!」加納陸、2度ダウンからの大逆転で初防衛

加納(右)は大ピンチに陥りながらも打ち合って形勢を逆転した

全ての画像を見る
WBOアジアパシフィック・ライトフライ級チャンピオン加納陸(23歳=大成)は23日、大阪市のエディオンアリーナ大阪第2競技場で同級1位の榮拓海(27歳=折尾)とタイトルマッチ12回戦を行い、2度のダウンを跳ね返して9回2分12秒TKO勝ちで初防衛に成功した。

 薄氷を踏む逆転劇だった。2回、加納は榮の右をカウンターで撃ち抜かれダウン。6回にも右で再び倒れた。いずれも正面に立っての被弾で、負けん気が災いしたかに見えたが、ここから形勢を引っ繰り返したのもまた、加納の気持ちの強さだった。

 前回の王座決定戦でもダウンを喫していた加納。「今度は打ちまくって勝つ」と王者の証明を期して臨んだが、榮も長く上位ランクに名を連ねる実力者だ。キャリア10年、5年ぶりで迎えたタイトルマッチに懸ける思いを大阪のリングで発散させた。初回から思い切りよく右ストレートを飛ばし、距離を詰めると左フックを脇腹に叩く。サウスポーの加納は速い右ジャブで突き放そうとするが、次第に猛烈な打撃戦に身を投じていった。

 スピードと手数では加納が上回るが、榮のパンチには芯でとらえる威力がある。打たれると打ち返してくる加納の出端にタイミングよく右を狙い撃ち、2回、6回と2度までも王者をキャンバスに這わせた。それでも加納は、下がらずに打ち合う戦法を選択する。頭をつけ合ってのボディブローの応酬から、バリエーション豊かな上下の高速連打で窮地を脱していく。7、8回には右アッパーのダブルで明らかに効かせた。回を重ねるごとに加納の攻撃が加速するのと反比例して、榮は失速。9回、フル回転した加納のラッシュに、榮がコーナーで無抵抗になったところでレフェリーが止めに入った。

「めっちゃうれしい」と喜びを爆発させた加納だが、ガッツとスタミナは見せても、上を目指すためには試合内容を反省。「もっと練習して、25歳までに世界チャンピオンになる」とファンに誓った。加納は16戦13勝(6KO)3敗。健闘むなしく散った榮は27戦22勝(16KO)4敗1分。

写真/佐藤真一

タグ:

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事