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2021-08-01

【Tokyo2020 ボクシング】並木月海もメダルを決めた! リオ五輪銅メダリストに快勝

並木の綺麗な左ストレートがヒット。ヒット&ランの戦法が冴えわたった

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 快進撃が続く日本女子ボクシング勢のエース、並木月海(自衛隊)は1日、東京・両国国技館で行われている東京五輪ボクシング競技の女子フライ級準々決勝に出場し、第3シードのイングリット・バレンシア(コロンビア)に判定勝ち、準決勝進出と銅メダル以上を確定させた。並木は持ち前の速い立ち回りで、同じサウスポーのバレンシアをかきまわし、5-0のスコアによる完勝だった。

 今の並木にとっては、この手法こそが最大の持ち味であり、世界への道を切り開くキーワードでもある。とにかく動く。足もそうだが、腕も激しく上下させ、相手に的を絞らせない。そして、やにわに飛び込んで速いパンチを突き立てる。リオ五輪3位の32歳は、どこまでもスピーディーに立ちまわる10歳年下の並木の戦法になにひとつ対応できなかった。

 立ち上がりから、並木の高速ボクシングが冴える。足もとを前後にうるさいほどに刻み、ひとっ飛びに接近すると左右のパンチを打ち込み、さらに右フックも決めた。バレンシアは一発だけ左カウンターを見せたが、攻めらしい攻めはそれだけだった。

 初回の並木にはやや気負いも感じられたが、2ラウンドに入ってもそのハイピッチは落ちない。バレンシアの引き際をうまく追いかけてワンツーを好打。さらに左パンチを再三決める。このラウンドも一方的に支配し、初回に続いて5人のジャッジはすべて並木のリードとつけている。

 最終回も並木が飛び込んでのワンツーからスタートする。バレンシアが逆転を狙って、パワフルな左をねじ込むシーンもあったが、並木はボディにもパンチを集め、無難に乗りきった。

 スコアは30対27が3人に29対28が2人の5-0だった。

 銅メダルを手にした並木だが、もちろんさらに上を目指す。準決勝で対戦するのは、アジアでの最大のライバルだった常園(ユアン・チャン)をワンサイドの試合内容で打ち破ったストイカ・クラステバ(ブルガリア)。35歳になるサウスポーは待ちに強く、正確で強烈な左ストレートのカウンターを打ち込んでくる。2度の世界選手権準優勝、ヨーロッパチャンピオンになったのもすべて30代になってからの実績だ。正直に渡り合う展開になると、かなりの強敵になる。並木はその速さを生かしながら、もっと奔放に、角度豊かに攻めたい。そして、正確なヒットを先に生み出したい。

文◎宮崎正博 写真◎ゲッティ イメージズ Photos by Getty Images

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