close

2021-09-03

【しゅりんぷ池田のカード春秋】大島康徳さん最後の直筆サインカード

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line
ベースボールカードで中日ドラゴンズの歴史を振り返ろう

 今年が中日ドラゴンズの85周年の年ということで、その歴史を振り返るベースボールカードが発売となりました。数多くのOBから直筆サインカードも寄せられているのですが、その中には6月末に急逝された大島康徳さんのものも封入されているのです。

 実は筆者は一時期、大島さんと同じ南阿佐谷に住んでいたことがあり、愛犬を連れてアーケード街を散歩する大島さんをしばしばお見かけしていました。自分がプロ野球を見始めたころの大島さんは、まだ準レギュラークラスの選手でしたが、1976年にシーズン最多記録となる7本の代打本塁打を放つなど代打の切り札として活躍していました。

 当時の私は「中日の監督は、どうしてこの40番の選手をレギュラーで使わないのかな?」と不思議に思っていたと大島さんに伝えたところ、「あのころは遊びが過ぎててね、4打席入ると集中力が続かなかったんだ」と“リアルあぶさん”のようなことをおっしゃっていました。

 その後、83年にはホームラン王のタイトルを獲得するなどドラゴンズの主砲に成長した大島さんでしたが、88年よりトレードで日本ハムに転じることになります。しかし、これは前年に就任した大島さんとドラフト同期入団の星野仙一監督の温情だったと思います。そこまでの3シーズンは安打数が3ケタを切り、出場機会が徐々に減っていたのです。このままジリ貧になりそうだったところを日本ハムに転じて選手寿命を延ばし、ついには2000安打も達成したのです。

 まさに、功なり遂げた野球人生だったと思います。あらためてご冥福をお祈りする次第です。
(週刊ベースボール2021年9月6日号 掲載記事再編)

2021BBMベースボールカード 中日ドラゴンズヒストリー1936-2021 直筆サインカード 大島康徳
2021BBMベースボールカード 中日ドラゴンズヒストリー1936-2021 直筆サインカード 大島康徳

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事