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2021-09-25

【相撲編集部が選ぶ秋場所14日目の一番】妙義龍、1差を守り、優勝の行方は千秋楽へ

左の前ミツを引き付けた妙義龍が一気に前に出て、正代を寄り切った

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妙義龍(寄り切り)正代

2敗の照ノ富士を1差で追う3敗の平幕3人は後半戦の土俵で役力士と対戦した。まず遠藤が小結逸ノ城に突き落とされて脱落。続く阿武咲は関脇明生の立ち合い変化にバッタリと落ちた。最後の砦となった妙義龍は大関正代と対戦。過去の対戦は正代の8勝7敗と拮抗しており、番付ほどの差はない。

立ち合い、両手をついて待つ正代。妙義龍も呼吸を合わせ立ち上がった。踏み込みのよかった妙義龍はすぐに左前廻しをつかむ。正代は右からカチ上げ気味にいったが効かなかった。妙義龍が左を引き付けると正代の腰は浮いてしまい、一気に前に走った。

来月35歳になる妙義龍だが、全盛期を彷彿とさせる速攻相撲で快勝。妙義龍が敗れれば、この日に照ノ富士の優勝が決まる可能性があったが、優勝争いの興味を千秋楽までつないだ。

「大関と当たる番付(西10枚目)ではないのに取組を組んでもらったので、一生懸命やろうという気持ちでいました。自分の相撲を取ることができました」と語る。

3敗の力士が次々に負けたことについては、「もちろん、目の前で見ていましたからわかっていました。でも、いらんことを考えず、その一番に集中して自分の相撲を取ろうと思っていました」と動揺することはなかった。

結びの一番は照ノ富士が上手投げを連発して貴景勝を下し2敗を堅守。千秋楽の割は14日目の取組終了後に組まれるため、照ノ富士-妙義龍の可能性もあったが、結びは照ノ富士-正代となり、妙義龍は勝ち越しを懸ける関脇明生と割が組まれた。もし、14日目に照ノ富士が敗れて相星になっていたら、照ノ富士-妙義龍だっただろう。妙義龍は自力優勝のチャンスがなくなったが、横綱に2番続けて勝つのは奇跡に近いので、この割の組み方で納得だ。

やはり千秋楽の結びは番付の一番手と二番手の対戦がふさわしい。ただ、番付の二番手が勝ち越しがやっとの大関では……と思ってしまう。そう思う人は多いだろうから、正代には奮起を期待したい。

文=山口亜土

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