米プロフットボールNFLは、現地10月10日(日本時間11日)、全米各地で第4週の14試合が開催された。ミズーリ州カンザスシティで開催されたサンデーナイトゲームは、カンザスシティ・チーフスとバッファロー・ビルズが対戦。ビルズが快勝して4勝1敗(AFC東1位)とした。チーフスは2勝3敗(AFC西4位)となった。(写真はすべて Getty Images )
バッファロー・ビルズ○38-20●カンザスシティ・チーフス(2021年10月10日、GEHAフィールド・アット・アローヘッド・スタジアム)【得点経過】
チーフス 第1Q 残り8:31 Kハリソン・バトカー38ヤードFG
17回56ヤード, 6:29 [0-3]
ビルズ 第1Q 残り4:36 QBジョシュ・アレン9ヤードTDラン(キック成功)
8回75ヤード, 3:55 [7-3]
チーフス 第2Q 残り10:00 WRバイロン・プリングル5ヤードTDパス←QBマホームズ(キック成功)
12回80ヤード, 7:55 [7-10]
ビルズ 第2Q 残り7:45 WRエマニュエル・サンダース35ヤードTDパス←QBアレン(キック成功)
5回75ヤード, 2:15 [14-10]
ビルズ 第2Q 残り3:13 Kタイラー・バス30ヤードFG
7回62ヤード, 2:33 [17-10]
ビルズ 第2Q 残り1:16 TEドーソン・ノックス53ヤードTDパス←QBアレン(キック成功)
2回68ヤード, 0:34 [24-10]
チーフス 第2Q 残り0:02 Kバトカー 54ヤードFG
8回39ヤード, 1:14 [24-13]
ビルズ 第3Q 残り7:12 FSマイカー・ハイド26ヤードインターセプトリターンTD(キック成功)
[31-13]
チーフス 第4Q 残り13:42 TEトラビス・ケルシー1ヤードTDパス←QBマホームズ(キック成功)
7-52ヤード, 2:32 [31-20]
ビルズ 第4Q 残り5:51 WRサンダース 8ヤードTDパス←QBアレン(キック成功)
12回85ヤード, 7:51 [38-20]
マホームズが「ピック6」喫し、流れ失う NFL第5週のベストカードとして、全米が注目したチーフス対ビルズの一戦は、昨シーズン(今年1月)のAFCチャンピオンシップの再戦。前戦では38点を奪われたビルズが、同じ得点でリベンジを果たした。
チーフスにフィールドゴール(FG)で3点を先制されたビルズだが、QBアレンのランとパスでオフェンスのリズムをつかむと、アレンがエンドゾーンに走り込んで逆転した。第2Qには、3回のオフェンスシリーズをTD、FG、TDとすべて得点につなげた。
チーフスは、前半終了間際にFGを決めて、11点差で折り返した。
雷雨により、ハーフタイムが70分以上となった後の第3Q、チーフスをアクシデントが襲う。スクリーンパスで前進したRBクライド・エドワーズヒレアーを、ビルズディフェンス陣が3人がかりでタックル。NFL選手としては背の低いエドワーズヒレアーに上からのしかかるように止めたため、エドワーズヒレアーは左ひざを痛め、負傷退場となった。
今季、RBのランが好調だったチーフスにとって、この負傷がオフェンスのリズムを狂わせた。3プレー後の3rdダウン5ヤードで、マホームズが、WRタイリーク・ヒルに投げたパスを、ビルズFSハイドがインターセプト。ハイドはそのままリターンTDして、流れを完全にビルズに引き寄せた。浅いアクロスのルートを走ったヒルが、パスを手に当てながら後ろにそらした、集中力を欠いた「らしくない」プレーが高いものについた。
チーフスは、次のオフェンスでも、ゴール前8ヤードまで迫りながら、マホームズが、ビルズのルーキーDEグレゴリールソーにパスを弾かれそのままインターセプトされてしまう。この後のビルズのオフェンスはチーフスが防いだが、チーフスにとっては、ストレスのたまる時間帯となった。
第4Q1分、チーフスはマホームズがTEトラビス・ケルシーにTDパスを決めて11点差とするが、ビルズは直後のオフェンスで、ロングドライブ。反則も含めて14プレー、85ヤード、7分51秒を使ってTDを奪った。
チーフスディフェンスは、第3Qにビルズを3回連続でパントに追い込んで、オフェンスの反撃を待ったが、第4Qに力尽きた。試合残り時間は6分を切って18点差となり、勝敗は、事実上ここで決着した。
チーフスの開幕5試合で3敗という成績は、アンディ・リードヘッドコーチ(HC)就任以降でも、2014年(2勝3敗)と2015年(1勝4敗)に経験しているが、両シーズン共に勝ち越しており、慌てる必要はない。
ただ、5試合で6インターセプトと、早くも昨シーズンに並んでしまったQBマホームズの状況、RBエドワーズヒレアーの負傷など、心配な要素は少しづつ増えている。
QBアレンの「相棒」誕生か、初の100ヤード超え、TEノックス NFLを代表する、若手スターQBの対決を制したのはビルズのQBアレンだった。パス15/26、315ヤード、3TD。ランでも11回59ヤード1TDを記録した。
この日、アレンのメーンターゲットとなったのは、エースWRステフォン・ディグスでなければ、今季加入のWRサンダースでもなく、TEドーソン・ノックスだった。3回のレシーブで117ヤードをゲイン、特に第2Qには、53ヤードのロングパスTDレシーブを決めた。ラッシュを受けて右にロールしたアレンから放たれた弾丸のようなパスを捕ってエンドゾーンに走り込んだ。100ヤードゲームはキャリア初となった。
ノックスはNFL3年目で、来月25歳となる。ルーキー年は388ヤード2TD、昨年は288ヤード3TDだったが、今季は5試合で261ヤード5TDと飛躍を見せている。
NFLでは、QBには、TEの「相棒」が必要と言われる。ノックスが同じ1996年生まれのアレンの良き相棒となれば、ビルズのパスオフェンスはますます手が付けられなくなるだろう。