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2021-10-18

【ボクシング】大注目のスーパーライト級戦は思わぬ展開に……。平岡アンディはパスも佐々木尽が計量失格。当日計量条件クリアで試合開催

200gアンダーで計量をクリアした平岡。佐々木は髪の毛を丸めて臨んだが……

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 大注目のダブル王座決定戦は、予想外の展開に……。明日19日、東京・後楽園ホールで行われる予定の日本・WBOアジアパシフィック・スーパーライト級王座決定戦は、IBF世界同級6位で、日本1位・WBO・AP2位の平岡アンディ(25歳=大橋)が前日計量を63.3kgと200gアンダーでパスしたものの、日本ユース王者で、日本2位・WBO・AP3位の佐々木尽(20歳=八王子中屋)が1.8kgオーバー。2時間後の再計量でも変わらずの65.3kgで失格。JBC(日本ボクシングコミッション)ルールに基づき、「当日計量(午後5時)でリミット+8%オーバーだったら試合中止」の条件で両陣営合意。佐々木が明日午後5時時点で68.58kg以下ならば試合はタイトルマッチとして開催されるが、佐々木が試合に勝った場合は、王座は空位のままとなる。

文_本間 暁 写真提供_大橋ボクシングジム

「これだけお客さんにも注目されて、メディアにも取り上げてもらってる試合。まあ、彼も若いですからしかたないと言ったらおかしいですが、今後はやらないでほしい。人間ですから失敗もありますし、これを糧に頑張ってほしい」──。オンラインでの会見に臨んだ平岡は、努めて平静を装いながら、言葉を絞り出した。

 緊張感あふれる1戦だったはずが、思わぬ“躓き”だ。けれども、試合自体は行われるかもしれない。だから、平岡は決して緊張感を解いてはいない。

zoom会見より。平岡は紳士的な態度で臨み、気持ちを切らないように努めていた
zoom会見より。平岡は紳士的な態度で臨み、気持ちを切らないように努めていた

「自分のやることをやるだけです。高いチケットを買ってくれた方に、自分の安定してきたボクシングを、多彩にパンチを出せるようになったところをお見せしたい。ここ2年、コロナ禍で参っちゃってる人がたくさんいますが、みなさんに元気を与えたい。すっかり秋になりましたが、みんなが温かくなるような試合をしたい」

 現在はIBFだけだが、世界ランクも上位に入っている。無敗で勢いのある佐々木とは「キャリアも違う」と、実力差があると見る向きも多い。けれども、これまでは王座獲得経験なし。タイトルマッチ出場すら初めてのこと。対戦相手が現れず、実現しなかったものだが、「世界に行くためには、どうしてもベルトがほしい」と、ここ数年、求めていた試合がようやく決まった次第だった。

 思わぬ“ケチ”がついてしまった試合だが、佐々木が本来の力を持って臨んでくることをしっかりと想定してリングに向かう。「自分に打ち克つという気持ちだけ」とキッパリ。勝てば一気に2冠王者となる。井上尚弥同様、大手のトップランク・プロモーションと契約し、これまでラスベガスで2戦行ってきたが、今後“聖地”に舞い戻っても、ベルト2本携えての登場は“箔が付く”というものだ。

平岡:17戦17勝(12KO)
佐々木:11戦11勝(10KO)
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