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2021-10-20

【ボクシング】富施郁哉が大差でユース王座獲得。これからも「一戦一戦確実に」

サウスポー富施は的確な左で主導権を握った

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20日、東京・後楽園ホールで行われた日本ユース・バンタム級王座決定戦8回戦は、同級16位の富施郁哉(23歳=ワタナベ)が12位の田井宜広(23歳=RST)に3ー0で判定勝ち。この王座2度目の挑戦で初のベルトを獲得した。

 アマチュアからプロに転向後、3連続KOで東京のリングに初見参した田井。スイッチヒッターで売り出した姫路の強打者は、この日もトリッキーにステップを踏んでサウスポーの富施を幻惑にかかる。しかし初回、スイッチした瞬間に左を狙い撃たれると、以後はほとんど右構えで戦うことになった。

 好スタートを切った富施は、2回以降も田井の派手な動きにおかまいなく、コンパクトな左をカウンター。思い切り振ってくる田井の右はがっちりブロックし、打ち終わりを鋭く突いた。中盤は接近戦の打ち合いで左ボディ、右アッパーを的確にヒット。5回には右フックからショート連打を集中し、田井に明らかなダメージを与える。終盤も荒くなった田井の攻撃を堅実にさばき、最後まで隙を見せずに終了ゴングを迎えた。判定はジャッジ3者が79対73と大差をつけた。

2度目の挑戦でユース王座を獲得した富施
2度目の挑戦でユース王座を獲得した富施

「練習でやってきたとおりです。相手が来たら合わせようと思っていた」と富施。田井のスイッチにも惑わされず「自分のボクシングに集中した」と振り返った。ここ数戦で積極性を増したのは「練習で接近戦も少しずつできるようになり、試合でもできるようになったから」と説明する。今回は試合の2週間から10日ほど前、町田主計トレーナーにバランスを少し低くするよう修正されたおかげで「楽になりました」とも明かした。今後を聞かれると「一戦一戦、決められた試合を確実にこなしていきたい」。初のベルトにも浮かれず、戦国のバンタム級を一歩一歩、着実に進む。

文/藤木邦昭 写真/馬場高志

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