アメリカンフットボールのXリーグ「X1エリア」は、10月24日、富士通スタジアム川崎で第5節のイコールワン福岡SUNS対富士フイルムミネルヴァAFCの一戦があった。福岡SUNSが富士フイルムを破り、4勝1敗(勝ち点12)として悲願のX1スーパー昇格に向けて大きく前進した。パイレーツは1勝3敗(勝ち点3)となった。
イコールワン福岡SUNS○20-9●富士フイルムミネルヴァAFC
(2021年10月24日、富士通スタジアム川崎)
【得点経過】
福岡SUNS 第1Q 4:14 K吉野 至, 27ヤードFG [0-3]
代表/HC/主将兼任でも、Kの役割もきっちり果たす
結果的に、勝敗に大きな影響を与えたのは、福岡SUNSの前半の最初と最後に決めた2本のフィールドゴール(FG)だった。1本目の遠因となったのは、富士フイルムの最初のオフェンスだ。ファーストプレーでいきなりディレイ・オブ・ザ・ゲームの反則。5ヤード罰退となった。
富士フイルムはランで7ヤードを挽回したが、フィールドポジションが悪いまま蹴ったパントはショートとなった。福岡SUNSが相手陣37ヤードからのオフェンスとなり、タッチダウン(TD)は奪えなかったが、FGを決めた。
ディレイという反則は、オフェンスが混乱しているときに起きることが多い。試合のファーストプレーで、ハドルを組んでから始めた最初のスナップで出るのは、格好のいいものではなかった。
2本目のFGも、富士フイルムディフェンスの油断が招いた。
富士フイルムはオフェンスが直前に7分半のロングドライブでFGを決め、1点差に迫っていた。残り時間は37秒。福岡SUNSが膝をついて時間を流すと考えたのかもしれない。
1stダウンで福岡SUNSはQB西山が左にロールアウト、奥に走り込んだWR岩永悠暉に50ヤードのロングパスを決めた。
この局面はプリベントディフェンスでロングパスをケアしなければならない。しかし富士フイルムディフェンスはラッシュは4人ながら、ディープを守っている選手もほとんどいない、中途半端な形になっていた。
富士フイルムはこの後、TDは防いだが、福岡SUNSが残り8秒でFGを決めた。
見逃せないのは2本のFGをしっかり決めた福岡SUNSのK吉野至だ。チーム代表であり、ヘッドコーチであり、主将。そしてサイドラインではオフェンスコーディネーターも兼任する。「普通のチームのKと違って、僕は試合中、キックのウォームアップが一切できない。体が固まっているので、長い距離は蹴ることができない。ただ、40ヤード未満は絶対に決める。チームの中でもそう言っています」という吉野代表/HC/主将。
この試合で決めた2本も長い距離ではないが、プレッシャーは常にあるはず。それを尋ねると「関西大学時代(の2010年)に、(関西学院大、立命館大と)3校プレーオフになって、関学と3-3の延長タイブレークでFGを蹴って決めましたから。アレを考えたら、どんな場面が来ようとも、緊張などはしないです」と笑った。
オフェンス・ディフェンス共に、ほぼ互角のゲーム。富士フイルムディフェンスは、前節のパイレーツ戦で133ヤードを走った、福岡SUNSのRBブランドン・ベリーを徹底してマーク。2人、3人がかりでタックルして試合終盤まで10ヤード以上のゲインを許さなかった。パスに活路を見出そうとした福岡SUNSだが、QB西山のパスをレシーバー陣が何度も落球した。
両チームともに、試合前の準備がしっかり出せた部分もあったが、当たり前のことができなかったもどかしさもあった。トップリーグ昇格を目指すのであれば、整えるのは、チームの体制や戦力だけではない。それが浮き彫りとなったゲームだった。
落球続きで「全部のボールに食らいつく」と奮起
第3QにTDパスキャッチを決め、試合のヒーローとなった福岡SUNSのWR伊藤嵩人。しかし、特に前半は、チャンスで落球し、インタビュー中には、チームメートのWRドニー・キングから、「お前は今日、何回パスキャッチしたんだよ」と冷やかされた。
TDパスは、本来は自分へのパスではなかったという。だが、前半でTDパスを捕球しそこなっていたこともあり「とにかく全部のボールに食らいつくつもりでいきました」という。
西南学院大時代から、大型強肩で快足のQBとして有名で、今でもQBとWRを兼任する。ただ、X1スーパー昇格がかかっている現在は、WRとしての練習が中心になっている。最終節の電通戦は、SUNSが地元福岡でできる今季唯一の試合。「来たパスは全部捕って、地元のファンの前で勝って、必ずスーパーに昇格します」と言い切った。
社長が観戦の大事な一戦、勝ち切れず
富士フイルムは、スポンサー企業の富士フイルムビジネスイノベーション・真茅久則社長が来場。コイントスも務めた。それに合わせてコーポレートカラーであるグリーンジャージを、試合で始めて着用した。どうしても勝ちたい1戦だったが、あと一押しが足りなかった。
課題はオフェンスの決定力だ。足の負傷から回復したQB鈴木貴史が鋭いパスを決めたが、シーズン序盤で活躍したエースRBの廣澤達也が負傷で十分な働きができなかった。廣澤が回復すれば、43歳ながらチームをけん引し、試合後、真茅社長から賞賛されたRB井岡淳とのコンビネーションが期待できる。
残り2試合は警視庁イーグルス、ディアーズフットボールクラブと強敵が待つが、オフェンスが万全な体制で臨めれば勝機は十分にありそうだ。
【小座野容斉】
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