close

2021-10-31

【アメフト】ノジマ相模原が東京ガスに快勝 2年ぶり地元開催でQBエバンスを完封

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】第3Q、東京ガスのレシーバーが弾いたボールをインターセプトするノジマ相模原LB増山=撮影:小座野容斉

全ての画像を見る

アメリカンフットボール・Xリーグの最上位「X1スーパー」は10月30日、2会場で2試合があった。相模原ギオンスタジアムで開催された、ノジマ相模原ライズ対東京ガスクリエイターズの一戦は、ノジマ相模原が東京ガスに完勝した。ノジマ相模原は2勝3敗で勝ち点6、東京ガスは1勝4敗で勝ち点3のままとなった。

ノジマ相模原ライズ○33-7●東京ガスクリエイターズ
(2021年10月30日、相模原ギオンスタジアム)

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】第2Q,QBカート・パランデック→WR小坂恒介39ヤードTDパス=撮影:小座野容斉

東京ガスを粉砕した、ディフェンスの集中力


 ノジマ相模原が快勝した。城ヶ滝一朗ヘッドコーチ(HC)が「ディフェンスがよくやった。やりたいことができた」と振り返った試合では、東京ガスのオフェンスをトータル70ヤード、ファーストダウン4回、サードダウンコンバージョン1/11と完全に封じ込めた。東京ガスはDBショーン・ドレーパーの96ヤードのビッグプレーでTDを奪っただけだった。

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】東京ガスQBエバンスのランを群がって止めるノジマ相模原ディフェンス陣=撮影:小座野容斉

 ノジマの勝因は、集中力だった。2本のインターセプト(INT)にそれが表れていた。2本とも東京ガスのレシーバーがQBジェロッド・エバンスのパスを捕れずに弾いた。宙に浮いたボールにDB渡辺健太、増山純季が反応し、しっかりと確保した。

 特に増山のINTが大きかった。第3クオーター開始後2プレー目。ノジマ相模原DLのプレッシャーはかかっていたが、エバンスはコントロールされたキャッチャブルなボールを投げていた。単なるパス失敗で終わらせずにターンオーバーとして、オフェンスの得点に結びつけた。東京ガスのハーフタイムのアジャストを挫く結果となった。

 城ヶ滝HCはハーフタイムに「第3Qが勝負だぞ」と選手たちに発破をかけていたという。その言葉通りに、ボールを奪い、モメンタムを奪った。

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】第3Q、東京ガスのレシーバーが弾いたボールをインターセプトするノジマ相模原LB増山=撮影:小座野容斉

 とはいえ、出だしは決して良くなかった。「今日のオフェンスは、スロースタートだった。反省している」とQBパランデックが認めた通り、試合開始から4シリーズ連続で3&アウト。5回目のドライブではパランデックのファンブルでボールを失った。

 オフェンスを助け、リズムを作ったのはランニングゲームだ。RB吉田光輝のランが第1Q終盤から出るようになった。吉田のランはタテに速く強い。カットを踏んだり、デイライトしてホールを探したりということがない。ポイントオブアタックまで一直線、タックルされても力強く足をかき続ける。

 吉田の15ヤードのランで、敵陣に攻め込んだノジマ相模原は、パランデックがロングパス。WR小坂がキャッチして先制TDとした。パスは、早いタイミングのタテのランと相性がいいプレーアクションだった。ここからパランデックはパスが冴えた。次のドライブでは3回連続でパス成功。4本目はエースレシーバー八木雄平へのTDパスとなった。

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】ノジマ相模原RB吉田のランは真っすぐに速く強く当たる。タックルを避けない=撮影:小座野容斉

 後半に入ってリードを広げたノジマ相模原は第4Qは徹底した地上戦に出た。吉田や、ルーキーRB阿部快斗、さらに34歳のベテラン若島慎平が走り続けた。


 試合後のスタッツには、その結果が表れた。ランは東京ガスがマイナス2ヤードに対して、ノジマ相模原は178ヤード。吉田は113ヤードで、5試合で計392ヤードと、X1スーパーのラントップにも躍り出た。

 「日ごろから、オフェンスにもディフェンスにも、(審判の)笛が鳴るまで足を動かせと、言っている。ディフェンスは、パシュートを止めるな。パスを投げられたら、見送るんじゃなくて皆でダッシュしろ。とにかく笛が鳴るまで全力でいけ。オフェンスでは、ランが止まっても、笛が鳴るまで足をかき続けて、1ヤードでも前に出せ、1ヤードに拘れ」

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】地元開催で会心の勝利を飾ったノジマ相模原の城ケ滝HC(中央)=撮影:小座野容斉

 城ケ滝HCの言葉通りに最後まで戦い続け、米カレッジフットボールのスターQBエバンスを擁した東京ガスを、完膚なきまでに叩きのめしたノジマ相模原。

 2年ぶりに開催された地元での試合、スタンドで観戦した、本村賢太郎・相模原市長や、多くの地元ファンの目の前で、強さを示した。2年前には、アウェーの東京ガスに持っていかれた相模原市長杯を、この日は笠井英治主将が誇らしげに掲げて見せた。

 開幕から富士通、パナソニック、オービックの「BIG3」に敗れて3連敗となったが、これで2勝。残る対戦相手はIBMビッグブルーとオール三菱ライオンズだ。BIG3への再挑戦権を手にするために、城ケ滝HCも選手も、熱く燃えている。

【ノジマ相模原 vs 東京ガス】相模原市長杯を高々と掲げるノジマ相模原の笠井主将=撮影:小座野容斉

【得点経過】
ノジマ相模原 第2Q6:55 QBカート・パランデック→WR小坂恒介39ヤードTDパス(佐藤太希キック成功)
3プレー57ヤード 1:09 [7-0]

ノジマ相模原 第2Q11:29 QBパランデック→WR八木雄平12ヤードTDパス(佐藤キック成功)
8プレー65ヤード 3:27 [14-0]

東京ガス 第2Q11:45 ショーン・ドレーパー95ヤードキックオフリターンTD(朴容俊キック成功)
[14-7]

ノジマ相模原 第3Q2:52 K佐藤31ヤードFG
[17-7]

ノジマ相模原 第3Q8:31 K佐藤29ヤードFG
[20-7]

ノジマ相模原 第4Q 1:12 QBパランデック3ヤードTDラン(QBパランデック2点コンバージョン, パス失敗) 
8プレー 65ヤード  3:46 [26 -7]

ノジマ相模原 第4Q 10:49 RB若島 慎兵, 2ヤードTDラン(佐藤キック成功)
10プレー 38ヤード  4:41 [33-7]


【ノジマ相模原 vs 東京ガス】試合開始前にあいさつをする本村賢太郎市長=撮影:小座野容斉



【小座野容斉】

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事