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2021-11-16

【相撲編集部が選ぶ九州場所3日目の一番】実力者の御嶽海、危なげなく3連勝

大関候補と呼ばれて久しい御嶽海が大栄翔を掬い投げで降し、ここまで相撲内容よく3連勝

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御嶽海(掬い投げ)大栄翔

誰もが実力を認める関脇の御嶽海。次期大関候補の筆頭なのだが、期待を裏切り続けている。11月場所は過去5年で勝ち越し1回だけと苦手にしているので、あまり期待はしていなかったのだが、今場所は非常に相撲内容がいい。連勝発進し3日目は大栄翔と対戦。両者、力を出し切った好一番となった。

立ち合い、大栄翔は低く当たってモロ手突きで相手の上体を起こそうとするが、御嶽海は下からうまくあてがって前傾を保ち下がらない。逆に押し込んでいくが、大栄翔も回転よく突っ張って応戦。御嶽海は大きく下がらず、大栄翔がイナしてからの突っ張り、ノド輪押しでのけぞらせるが、御嶽海の下半身は揺るがない。

御嶽海は左に回り込みながらの左おっつけで大栄翔のバランスを崩し、左を差し込むと右で相手の頭を押さえつけての掬い投げで激しい相撲を制した。この日の相撲を見る限り、腰もしっかりと降りて相手の攻めを受け切り、強いなあという印象。

「我慢しました。引いたら持っていかれる相手なので、それは何回もやってわかっているので、ミスすることなく負けないようにいきました」と御嶽海。たしかに先に弱気になってイナしたのは大栄翔のほうだった。御嶽海が引く場面は一度もなかった。

九州場所は相性が悪く、場所前は本人も「苦手だ」と言っていたが、「そういう意識はないですね。今場所は体も動いているし、重みも相手に伝わっていると思う。今は調子もいいので気持ちよく取れています」と胸を張った。優勝候補のダークホース的存在となりそうだ。

まだ3日目が終わったところだが、ここまで幕内の全勝は9人。役力士は照ノ富士、貴景勝、御嶽海の3人で、平幕が宇良、千代翔馬、碧山、北勝富士、阿炎、佐田の海の6人。平幕では12枚目まで下がった北勝富士が不気味な存在だ。

文=山口亜土

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