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2021-11-19

【NFL】「憎らしいまでに強い」ペイトリオッツが復活か ファルコンズを完封し5連勝

◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆5連勝のペイトリオッツオフェンスを率いる若き司令塔、QBジョーンズ=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは、現地11月18日(日本時間19日)、ジョージア州アトランタで第11週のサーズデーナイトゲームがあり、4勝5敗のアトランタ・ファルコンズと6勝4敗のニューイングランド・ペイトリオッツが対戦。ペイトリオッツが攻守に隙を見せずにファルコンズに完勝した。ペイトリオッツは5連勝で7勝4敗、1988年以来となるホームでの完封負けを喫したファルコンズは4勝6敗となった。(写真はすべて Getty Images )

ニューイングランド・ペイトリオッツ○25-0●アトランタ・ファルコンズ
(2021年11月18日、メルセデスベンツ スタジアム)

【得点経過】
ペイトリオッツ 第1Q  残り5:14 Kニック・フォーク32ヤードFG
9プレー52ヤード 4:38 [3-0]

ペイトリオッツ 第2Q  残り13:44 WRネルソン・アゴラ― 19ヤードTDパス←QBマック・ジョーンズ(キック成功)
7プレー76ヤード 3:29 [10-0]

ペイトリオッツ 第2Q  残り0:00 Kフォーク44ヤードFG
7プレー41ヤード 1:48 [13-0]

ペイトリオッツ 第4Q  残り6:39 Kフォーク53ヤードFG
8プレー43ヤード 5:21 [16-0]

ペイトリオッツ 第4Q  残り1:55 Kフォーク33ヤードFG
8プレー35ヤード 3:14 [19-0]

ペイトリオッツ 第4Q  残り1:22 LBカイル・バンノイ 35ヤードインターセプトリターンTD(キック失敗)
 [25-0]
◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆ボロボロの敗戦。ベンチでうつむくファルコンズQBライアン=photo by Getty Images

オフェンス、ディフェンス、キッキングすべてに抜け目なく

 憎たらしいまでに強く、相手が嫌がるフットボールをするペイトリオッツが、戻ってきた。オフェンス、ディフェンス、キッキングの全てで、抜け目なくプレーし最後まで主導権を手離さずに、ファルコンズを完封した。

 ルーキーQBマック・ジョーンズは、パスで3タッチダウン(TD)を挙げた4日前のブラウンズ戦のような目立った活躍は無かったが、パス22/26、80%を軽く超える成功率で、207ヤードを獲得した。ファルコンズディフェンスは、決して手をこまねいていたわけではなく、ブリッツも含めたパスラッシュで脅かしたが、ジョーンズには通じなかった。
◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆ファルコンズディフェンスのブリッツをチェックするペイトリオッツQBジョーンズ=photo by Getty Images

 ジョーンズが犯したミスらしいミスは、第3QにファルコンズCBのA.J.テレルに投じたインターセプトくらい。しかしそれはテレルのカバレッジが弱いことを見抜いて攻めた結果だった。NFLのネクストジェネレーションスタッツによると、インターセプトの前に、ジョーンズはテレルのカバーに対して5回パスを成功させ、1TDを奪っていた。

 優秀なジョーンズと言えどもルーキーであることに変わりはない。経験の浅いQBのベストフレンドはランだ。ペイトリオッツはこの試合でもランオフェンスを確立することに注力した。頑健な23歳のルーキー、ラモンドレ・スティーブンソンが12回69ヤード、24歳の3年目ダミアン・ハリスが10回56ヤードをゲインした。
◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆ペイトリオッツのルーキーRBスティーブンソンはこの試合チームトップのラン成績=photo by Getty Images
 ラン30回134ヤードのペイトリオッツは、7試合連続でチームラッシング120ヤード以上を記録したが、これはチームとしては35年ぶりだという。

 対照的にファルコンズは、RBコーダレル・パターソンを負傷で欠いたこともあり、ラン16回でわずか40ヤード。QBマットライアンのパスで追いかけるオフェンスはワンディメンショナルで、ペイトリオッツのパスラッシュの良い標的になってしまった。

 ペイトリオッツはOLBカイル・バンノイが2サック、OLBマット・ジュドン、DTデイボン・ゴッドショウが1サックずつを記録した。ジュドンは今季10.5サックで、2015年のチャンドラー・ジョーンズ以来のサック数となった。
◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆ペイトリオッツLBジュドンにサックされるファルコンズQBライアン=photo by Getty Images

 ファルコンズは、ライアンだけでなく、控えのジョシュ・ローゼン、フェリペ・フランクも合わせた3人のQBで計4インターセプトを喫した。

 ペイトリオッツはキッキングユニットも仕事をした。Kフォークは53ヤードを含む4FG。Pジェイク・ベイリーは最長60ヤード、最初の3回のパントではアトランタを自陣4ヤード、14ヤード、19ヤードに追い込んだ。
◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆「失望した」「イライラがたまってきた」「恥ずかしい」と書かれた新聞を広げる地元ファルコンズのファン=photo by Getty Images

 ペイトリオッツが前半終了時に10点以上の差でリードしていた試合は、これで44連勝となった。これは現在のNFLでは最長記録。第7週から5連勝で、7勝4敗として。勝利数ではAFC東地区首位のビルズを上回った。ジョーンズはアウェーゲームで5戦全勝だが、ルーキーQBとしては、過去にベン・ロスリスバーガー(スティーラーズ)、ダック・プレスコット(カウボーイズ)だけが記録しているという。

 ベテランのような落ち着きをのQBジョーンズが率いるオフェンス。ジュドンやバンノイ、J.C.ジャクソンらを中心とする強力ディフェンス。その向こうで名将ビル・ベリチックが悠然と構えている。ペイトリオッツが、このままのペースで、再び王朝を築き上げるのだろうか。

◇ペイトリオッツ-ファルコンズ◆TEピッツをターゲットにしたパスをインターセプトするペイトリオッツのマッカーティ=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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