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2021-11-20

【相撲編集部が選ぶ九州場所7日目の一番】王鵬、7連勝で十両の単独トップを走る

右上手を引き付け、美ノ海の腰を浮かせて寄る王鵬

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王鵬(寄り切り)美ノ海

幕内の優勝争いは、平幕でただ1人全勝だった阿炎が初黒星。横綱照ノ富士と大関貴景勝は危なげなく勝って全勝を守った。1敗力士は多いものの、横綱と大関のマッチレースの様相になってきた。

7日目は十両に目を向けてみたい。十両の優勝争いでトップを走るのは、ただ1人全勝の王鵬。この日は美ノ海と顔が合った。

立ち合いから左手を伸ばして廻しを取ろうとする美ノ海に対し、突き放していく王鵬。相手を中に入れさせず、突っ張りで前進。土俵際まで攻め込んだところでイナされるが、体勢は崩れず再び前に出る。ついに美ノ海が左下手をつかむが、王鵬は右上手を取って引きつけ、相手の腰を浮かせて寄り切った。

この一番について聞かれた王鵬は、「相手に形もつくられましたし……」と言いながらも、「どちらかと言えばいい相撲が取れたと思う。全体的によかった。落ち着いて相撲が取れています」と振り返った。形をつくられたと言っても、手を伸ばして下手をつかんだだけで、美ノ海の上体は伸び切っていたので、王鵬の完勝だった。よく見て突いていたし、非常にいい相撲だったと思う。

今場所は兄の納谷が新幕下でここまで3勝1敗の好成績。弟の夢道鵬は幕下中位で1勝3敗と苦しんでいるが、兄弟で刺激し合っている大鵬の孫たち。「自分を見て頑張らなきゃと思ってくれるならいいんじゃないですか」と出世頭の王鵬は語る。

初日からの7連勝は自身初めてで、「やっぱりうれしいです」と笑顔。今場所の番付は東十両7枚目。11勝以上なら新入幕の可能性も出てくる。優勝を手土産に入幕したいところだが、「体調はめちゃくちゃいいので、余計なことは考えずやっていきたいです」と無欲で後半戦に臨む。

十両は好成績力士が多く、1敗で一山本、琴勝峰、東龍、荒篤山の4人が続く。こちらの優勝争いも面白い。

文=山口亜土

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