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2022-01-09

涙の飛龍革命! 藤波辰巳の髪切り事件!!「やりますよ。もっと信頼してください、オレのこと」【週刊プロレス】

バックステージで言い合うアントニオ猪木と藤波辰巳

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 1988年4月22日、新日本プロレス那覇大会で藤波辰巳(当時)が“飛龍革命”を起こした。

 藤波はアントニオ猪木とのタッグでベイダー&マサ斎藤と対戦。9分24秒、反則勝ちを収めた後の控室で強烈な自己主張をやってのけた。4・27大阪&5・7有明でベイダーと対戦する猪木にその座を譲るように迫ったのである。

 以下は猪木と藤波のやり取りの抜粋。

藤波 すみませんでした。

猪木 いや、今日はオレの方がすまん。

藤波 ベイダーとシングルでやらせてください。今日、ボクは何もやってないです。もう、いい加減に許してください。これからは自分でやりますよ、真っすぐ。自分の思うことをやります。はっきり言って、大阪と東京の連戦(今の猪木では)無理です。自分が今日こんな形で、言える立場じゃないけど、オレらは何なんですか、オレらは? 

猪木 本気かい? 命、懸けられるか? 命を。勝負だぜ、オマエ。

藤波 もう何年続いた?

猪木 だったらブチ破れよ。なんでオレにやらせるんだ。リングの上は闘いなんだ。先輩も後輩もない。なんで遠慮なんかするんだよ。

藤波 遠慮じゃないですよ。これが流れじゃないですか、新日本プロレスの。そうじゃないですか?

猪木 じゃあ、力でやれよ。やれるのか、オマエ、本当に(と言って藤波にビンタ)。

藤波 やりますよ(と言って猪木にビンタ)。もっと信頼してください、オレのこと。

猪木 いけるか。

藤波 (救急箱の中からハサミを取り出して、それで前髪を切りながら)やりますよ、やりますよ…。(猪木と坂口征二に止められ)いらないですよ、こんなもの。オレは負けても平気ですよ。負けても本望ですよ。

猪木 OK。オレは何も言わんぞ。やれ、その代わり…。

藤波 大阪でオレは進退懸けます。いいですか。

猪木 なんだっていいや。遠慮することねぇよ。

藤波 もういいです。

 同世代の天龍が全日本プロレスで躍進し、新日本プロレスを追放された前田日明が新生UWF旗揚げを発表。まさに時代の転換期。この日の髪切り事件をきっかけに藤波は新日本プロレスの世代交代を加速させていくことになる。

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