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2022-01-12

【ボクシング】村田諒太が36歳の誕生日に会見。「強くなるための練習を続けるだけ」

36歳になった村田。目指す先にあるのはゴロフキンとの戦いのみ

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 WBA世界ミドル級スーパーチャンピオンの村田諒太(帝拳)は36歳の誕生日を迎えた12日、記者会見と練習を公開した。歴史的拳豪ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対決が目前に迫りながら延期になったが、「練習を手を抜いたりはしません」と、ビッグマッチを待望する気持ちに変わりないことを強調した。また、本田明彦会長は、ゴロフキン戦を4月を目標に尽力していると明かしている。

 さまざまなことがあった2021年を振り返って、と訊かれた村田は「形容しがたいですね」。そして「その間も練習を中断していません」と答えると、あらためて強くなっている実感はありますかとと問われる。「最後に戦ったのは33歳ですから。試合をやってみなければわかりません。ただ、強くなるための努力、とういか練習はしています」

 その応答から想像できるように、本来ならボクシング生活の集大成を迎えるはずの34歳、35歳の2年間、村田の心も体も揺れ動いていたに違いない。ことさらに昨年12月29日に予定されたゴロフキン戦が、延期になったことは最大のショックだったに違いない。「若干、実戦の感覚にゆるみを感じて」いても、順調に仕上がりつつあったその最中の延期発表だった。新型コロナウイルスの変異種オミクロン株の発生により、政府が水際対策で外国人の入国を原則禁止にしたためで、いたしかたない事情だったにしろ、どうしても割り切れなさは残ったことだろう。
巨大なケーキのローソクを吹き消す村田
巨大なケーキのローソクを吹き消す村田を吹き消す村田

「失恋と同じですね。そうなった直後は、なぜなんだとなって、1週間が過ぎると、大事なものを失ったことを思い知り、気持ちが落ちてしまう。さらに1週間後には、前を向くしかないという新しい気持ちになります」

 今回も心の成り行きは同じ道をたどった。その間も、練習を削ったりはしなかった。スパーリングも継続的にやっている。クリスマス、正月も日本に残っているパートナーのふたりのメキシカン、アドリアン・ルナ、ホセ・デ・ヘスス・マシアスはそんな村田の現況を「相手の打ち終わりにねらっているパンチがシャープになっている」と口をそろえた。
ルナを相手に2ラウンドのスパーリング。重いパンチを打ち込んでいた
ルナを相手に2ラウンドのスパーリング。重いパンチを打ち込んでいた

 この日はルナを相手に2ラウンドのスパーリング、カルロス・リナレス・トレーナーの構えるミットに3ラウンド、パンチを打ち込んで練習を終えた。

 村田の練習後に取材に応じた本田会長は、「4月にゴロフキン戦を計画している」。そのためには2月中にオミクロン株の流行が抑えられることと、政府の水際対策の緩和が具体化することが前提になると観測していた。

文・写真◎宮崎正博

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