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2022-01-12

【NFL】公式戦終了後3日で5人のヘッドコーチが解任 「2年連続勝ち越し」「プレーオフ3回出場」も容赦なく

ドルフィンズHCを解任されたブライアン・フローレス=phpto by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは、1月9日に全18週に渡ったレギュラーシーズンを終えたが、終了後にヘッドコーチ(HC)やゼネラルマネージャー(GM)の解任が相次いでいる。現地1月11日に解雇されたニューヨーク・ジャイアンツのジョー・ジャッジで、シーズン終了後のHC解任が3日間で5人目となった。またGMも3人が解雇されている。
 シーズン中に、過去のメール問題で実質的に解任されたレイダースのジョン・グルーデン、第13週終了後に、ジャガーズから見限られたアーバン・マイヤーも含めれば、現段階で、今オフ7人のHC交代劇が確定している。シーズン終了後に解任された5人よりも悪い成績だったHCはまだおり、この数はこの後も増える可能性がある。現地1月11日段階の状況をまとめた。(写真はすべてGetty Images)

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●シーズン最後に4連敗…ブロンコスのファンジオHC
 シーズン後のHC解任の口火を切ったのがブロンコス。1月8日、土曜日のゲームでブロンコスがカンザスシティ・チーフスに28-24で敗れ、7勝10敗でAFC西地区の最下位になった、翌日にヴィック・ファンジオHCを解任した。ブロンコスは、リーグトップ級のディフェンスで、第14週まではプレーオフ出場権を争っていたが、シーズンの最後で4連敗を喫していた。
ブロンコスは、2015年シーズンのスーパーボウル優勝以来、ポストシーズンに進出していない。ファンジオは3シーズンで19勝30敗だった。
ブロンコスHCを解任されたヴィック・ファンジオ=phpto  by Getty Images

●2年連続勝ち越しでも解雇…ドルフィンズのフローレスHC
 今回の解任劇の中で、多くの疑問の声が上がっているのがドルフィンズのブライアン・フローレスに対するものだ。ドルフィンズは、1月10日、フローレスHCの解任を発表した。昨シーズン10勝6敗、今季は9勝8敗と勝ち越したが、2年連続でプレーオフ進出を逃したのが大きな理由となった。今季は開幕戦で勝った後に7連敗。その後7連勝と復調したが、第17週でタイタンズに大敗してポストシーズンを逃していた。ただ、10年間師事したペイトリオッツのビル・ベリチックHCに対しては4勝2敗の成績を残していた。
 フローレスは、HCとして3シーズン合計で24勝25敗だった。
ドルフィンズHCを解任されたブライアン・フローレス=phpto  by Getty Images
●QB出身ながら、QBを育てられず…ベアーズのナギーHC
ベアーズは1月10日にマット・ナギーHCとライアン・ペースGMを解任した。ナギーは現役時代はQBで、チーフスのオフェンスコーディネーターとして実績を積み上げ、2018年にベアーズHCに就任。1年目は12勝4敗で、ベアーズを8年ぶりのプレーオフに導き、コーチ・オブ・ザ・イヤーにも選ばれた。しかし、その後は2年連続で8勝8敗。この間に、2017年にドラフト1巡2位で指名したQBミッチ・トゥルビスキーを育成できずに放出した。今季は6勝11敗で、NFC北地区3位に終わった。4シーズンの通算成績は34勝31敗だった。
ベアーズHCを解任されたマット・ナギー=phpto  by Getty Images


●8シーズンで負け越しは3回…バイキングスのジマーHC
バイキングスは1月10日にマイク・ジマーHCとリック・スピルマンGMを解雇した。今季は8勝9敗。しかし4点差以内の敗戦5回が示すように、接戦で勝ち切れなかったのが響いた。ジマーは今回解雇されたHCの中では最も実績を残してきた。2017年シーズンには13勝3敗でNFCのチャンピオンシップまで出場。この年を含む3シーズンでプレーオフに進出した。二桁敗戦は一度もなく、負け越しも3回だけ。通算では72勝56敗1分だった。
バイキングスは、1976年シーズン以来、スーパーボウルに出場したことがない。
バイキングスHCを解任されたマイク・ジマー=phpto  by Getty Images
●6年間で3回目のHC解任劇・・・ジャイアンのジャッジHC
ジャイアンツは、1月11日に過去6年間で3回目となるHCの解任を行った。ジョー・ジャッジは今週解任されたHCの中では最も短い2年間の在職で終わった。ジャッジの2シーズンの成績は10勝23敗。今季は3勝13敗でシーズンを終えたが、第13週から6連敗、しかもすべて二桁差で負けていた。
ジャイアンツがジャッジHCを解任するのが1日遅くなったのは、GMのデーブ・ゲトルマンを先に解任したからだった。ジャイアンツのHC探しは新たなGM職が決まってからということになりそうだ。
ジャイアンツは、5シーズン連続の二桁敗戦、5年間で計59敗は、1925年の創設以来97年間で最悪の数字となっている。
ジャイアンツHCを解任されたジョー・ジャッジ=phpto  by Getty Images
          ◇

 今季二桁敗戦を喫したのは11チーム。11敗以上の7チームのうち、3チームがHCを解任した。ジェッツ(4勝13敗)、テキサンズ(4勝13敗)、ライオンズ(3勝13敗1分)はHCが今季1年目だった。

 5勝12敗のパンサーズマット・ルールHCは2年連続負け越しで、2シーズンで10勝23敗。この後、何かがあってもおかしくはなさそうだ。また、今季、プレーオフに進出できなかったシーホークスでは、NFL最年長、70歳のピート・キャロルHCは残留の方向となっている。

シーホークスHCとして残留の方向のピートキャロル(右)=phpto  by Getty Images

【小座野容斉】

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