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2022-01-17

【相撲編集部が選ぶ初場所9日目の一番】照ノ富士、勝ち越し決め、1差で御嶽海を追う

照ノ富士が危なげない理詰めの相撲を取り、左からの下手投げで北勝富士を転がした

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照ノ富士(下手投げ)北勝富士

中日を終えて、優勝争いは全勝で御嶽海、1敗で照ノ富士、2敗で平幕力士6人が追う展開となった。9日目は琴ノ若、琴恵光、宝富士、阿炎の4人の平幕が2敗を守り、御嶽海が全勝をキープ。結びの土俵に勝ち越しを懸けて照ノ富士が上がった。

連日、御嶽海の勝利を見届けてから土俵に上がっているが、「自分の相撲に集中しているので、(他人のことは)考えていません」と不動心を貫いている。9日目の対戦相手は北勝富士。初顔から3連敗したが、その後は7連勝と圧倒してしいる。

北勝富士は立ち合いで左にずれて当たり、右ノド輪、左おっつけで攻める。照ノ富士はノド輪をはずすと左を差し込み、右で相手の左差し手を抱えた。右手を伸ばして上手を狙うも取れなかったが、左下手をガッチリ。こうなると押し相撲の北勝富士は攻め手がない。照ノ富士はじわじわ前に出ると、再び右上手を取りにいき、これを防ごうと腰が引けた北勝富士を左下手投げで転がした。危なげのない理詰めの相撲で勝ち越しを決めた。

「落ち着いてやろうと思っていました」と照ノ富士の第一声。慌てることなく、どっしりと構えていた。あの体勢からの投げを狙っていたのかと聞かれると、「結果的にそういう形になった」と説明。力任せではなく、計算された投げだった。

横綱にとって勝ち越しは通過点であるが、それでも勝ち越しはホッとするもの。しかし、勝ち越しの心境を聞かれると、「場所が終わったわけじゃないので、残り頑張るだけです」と気持ちを引き締め、早々にリモート取材を打ち切った。

照ノ富士の10日目の対戦相手は東5枚目の阿武咲。過去3勝4敗と負け越している相手で油断できない。11日目にはもう1人、平幕と対戦する。順番でいけば西5枚目の千代翔馬だが、東西6枚目の豊昇龍か阿炎、できれば阿炎との対戦が見たい。そして、千秋楽には大関正代ではなく、御嶽海との一番を持ってきてほしいと願っている。

文=山口亜土

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