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2022-01-18

【相撲編集部が選ぶ初場所10日目の一番】北勝富士、全勝の御嶽海に土をつける

北勝富士が左右から強烈におっつけて前進、御嶽海を押し出した

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北勝富士(押し出し)御嶽海

9日目まで全勝を守り、照ノ富士に1差をつけて単独トップに立っている御嶽海。10日目は同学年の北勝富士と顔が合った。

今場所の北勝富士は西4枚目で、ここまで3勝6敗と調子が上がっていないが、過去の対戦成績は御嶽海の12勝10敗と拮抗している。この2人は子供のころからライバルで、大学2年ぐらいまでは北勝富士のほうが強かったが、大学3、4年で御嶽海が逆転している。ライバル意識を燃やす北勝富士と絶好調の御嶽海。熱戦が期待された。

立ち合い、右手をついて待つ北勝富士。両者、呼吸を合わせて立ち上がると北勝富士は頭ひとつ低く当たった。御嶽海が二本のぞかせるが、北勝富士が左右から強烈におっつけて前進。御嶽海は我慢できずに引いてしまい、簡単に土俵を割った。差し手から起こしたかったが、北勝富士の馬力に屈した。

初黒星を喫した御嶽海はNHKアナの問いかけにも答えず、リモート取材も拒否して無言で引き揚げた。一番の目標と言っていた二ケタ勝利を意識しすぎたのかもしれない。

御嶽海の連勝を止めた北勝富士は、「下から思い切り当たることを意識していた。あとは体がついてきてくれると思っていた。立ち合いからいい足の運びができた。相手の全勝は意識してないけど、もともと負けたくない相手なので、自分らしく一生懸命やって、それが結果に出た」と振り返った。

先々場所はケガで途中休場、先場所は12枚目で11勝を挙げて、4枚目まで番付を戻した。「やっぱり常に上位にいたい。先場所は部屋に帰ってからテレビで上位の相撲を見て、悔しい気持ちが強かった。今日はいい相撲が取れて、結びまで土俵下で見られてよかった」と会心の笑顔を見せていた。

結びの一番は照ノ富士が阿武咲を圧倒して1敗を堅守。これで横綱と御嶽海が1敗で並んだ。2敗で平幕の阿炎と宝富士が追う展開。11日目は御嶽海が正代、照ノ富士が千代翔馬と対戦する。照ノ富士が平幕と当たるのは11日目が最後となるが、審判部は順番どおり千代翔馬を当ててきた。阿炎との顔合わせを期待していただけに残念だ。

文=山口亜土

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