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2022-01-20

【相撲編集部が選ぶ初場所12日目の一番】照ノ富士、御嶽海敗れ、2敗で阿炎と並ぶ

前進する照ノ富士を、右に回り込みながら肩透かしを放つ明生

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明生(肩透かし)照ノ富士

1敗で横綱照ノ富士、関脇御嶽海の2人、それを1差で追うのが平幕阿炎1人という展開で迎えた12日目。終盤の土俵で大波乱が待っていた。

まず、御嶽海が阿武咲と対戦。立ち合い、頭から当たって突き起こす阿武咲の攻めを受けてしまった御嶽海。反撃に転じるところをタイミングよく引かれてしまい、バッタリと落ちた。

続いて土俵に上がった阿炎はモロ手から突き放して、関脇隆の勝を圧倒。もともと小結で3場所連続で勝ち越しているのだから、上位と組まれても力の差はない。

そして、迎えた結びの一番。勝てば単独トップに立つ照ノ富士は小結明生と顔が合った。過去の対戦は照ノ富士の5勝1敗。明生の1勝は昨年秋場所の12日目。今回と同じように7敗を喫してあとがない状態だった。明生は7敗してから非常にしぶとい力士だ。

立ち合い、先に左手をついて待つ明生。呼吸を合わせて立つと、頭から激しく当たって右のノド輪押しで横綱の上体を起こす。照ノ富士は左手を伸ばすも廻しは取れず、サガリをつかんで頭を下げて前進。明生は右に回り込みながら右から肩透かしを放つと、照ノ富士は止まることができず、勢いよく土俵下に飛び降りた。

照ノ富士はリモート取材には応じずに国技館から引き揚げた。土俵下に落ちたとき、ヒザを気にするしぐさをしており心配される。

殊勲の星を挙げた明生は、「集中していきました。精いっぱいやりました。うれしいです」と表情が緩んだ。今場所直前に腰を痛めて、初日から腰にテープを張って出場していたが、この日はテーピングが見られなかった。「気合を入れるために全部はずしました。腰は大丈夫です」と、この一番に闘志を燃やしていた。

昨年秋場所は4勝7敗から照ノ富士に勝った勢いで4連勝して勝ち越している。今度も同様にいきたいところ。「強い横綱に勝つことができたので、自信を持っていきたいと思います。できることを精いっぱいやりたいです」と、勝ち越しに意欲を見せていた。

これで照ノ富士、御嶽海、阿炎の3人が2敗で並ぶことになった。13日目は御嶽海と阿炎が当たる。14日目は照ノ富士と阿炎だろう。そして、千秋楽の結びは照ノ富士-御嶽海戦が組まれることになりそう。果たして誰が優勝するのか。残り3日、面白くなってきた。

文=山口亜土

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