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2022-03-02

スマイルスポーツ・アスリートインタビュー 【体操】橋本大輝「日本の体操が世界一だということを示したい」

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体操ニッポンの新たな後継者、橋本大輝選手。東京2020オリンピックでは個人総合と鉄棒で2つの金メダルを獲得した

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橋本大輝選手は東京2020オリンピックにて、体操男子個人総合と種目別鉄棒で金メダルを獲得。弱冠20歳での個人総合優勝はオリンピック史上最年少記録であり、日本人選手の二冠は1984年ロサンゼルス大会の森末慎二さん以来37年ぶりの快挙だった。日本の“美しい体操”を体現する若きエースが、体操に対する思い、オリンピック金メダルの先に見据える目標を、スマイルスポーツのインタビューで語った。


――改めて2つの金メダルを獲得した東京2020オリンピックを振り返ってみて、どんな印象がありますか?

「東京オリンピックでは団体が銀メダルに終わった悔しい結果がありましたが、その後は気持ちを切り替えて個人総合で金メダルを獲れたので大きな自信になりました。団体戦ではオリンピックの舞台でベストを出すことの難しさを痛感して、そのなかで個人総合ではベストを出すことができて、やはり準備が一番必要なんだなということを改めて実感しました。オリンピックでの嬉しい出来事も悔しい出来事も、この先につながる大きな経験だったと思います。 

――オリンピックを経て自分の中で変化を感じる部分はありますか?

「自分の中の変化としては、やはりモチベーションが下がってしまったところがありました。オリンピックの後は体も心も戻らないまま競技に挑むことがあったので、そこは難しかったなと思っています」


初出場のオリンピックで見事に二つの金メダルを獲得(Photo : Getty Images)

――20歳にしてオリンピックで二つの金メダルを獲得して、モチベーションを維持していくのは大変だと思います。そうしたなかで、いかにして大会や練習へのモチベーションをつくっていくのでしょうか?

「オリンピックチャンピオンではありますけど、次の世界選手権やオリンピックに向けては、もう一度チャレンジャーの気持ちになることです。金メダルを獲ったことは自信として、オリンピックチャンピオンというプライドを持って演技に取り組んでいきますが、大会に挑む一人の選手としては、挑戦者としてチャレンジしていくという気持ちで攻めていきたいです。自信と挑戦する気持ちが、今後の自分の演技にとって大事なものだと思います」

――モチベーションという部分で言うと、体操選手として自分の名前のついた技を成功させたいという思いはありますか?

「今の時代は技がかなり発展していて、新しい技をつくるのは困難になっています。もちろん新しい技をつくりたい気持ちはありますが、今は自分の体操を一番に表現できるようになりたいという気持ちのほうが大きいです。技術的な成長があったその先に、新しい表現の仕方として、自分の新しい技が見えてくるのだと思います。簡単にできるものではないので、今は一つひとつの技の完成度を高めていくことを重視しています」


橋本選手は「鉄棒は花形。中でも離れ技は見所の一つ」と語る(Photo : Getty Images)

――体操をやっていて一番楽しく感じるのはどんなときでしょうか?

「6種目ミスなく演技ができて、最後の着地が止まったときです。それがすごく嬉しい瞬間です。技が思うように決まらなかったり、思うように体が動かなくてきついと思うこともありますが、難しい技がうまくできたときは嬉しいですし、そういう気持ちは子どもの頃から変わらないですね」

――橋本選手が考える体操の一番の魅力は?

「個人の体格や演技構成によって表現の仕方が違うので、一人ひとり個性があって面白いというのが体操の魅力だと思います。僕の強みはダイナミックな演技なので、他の選手ではなかなか見られないような演技に注目していただけたら嬉しいです」

――最後にこれからの夢や目標を教えてください。

「東京オリンピックでは目標であった金メダルを獲ることができましたが、ここで満足せず、まずは次のパリオリンピックに出られるように頑張ります。パリオリンピックに出場できれば、オリンピックチャンピオンがいるということでメディアにも注目してもらえます。そこで体操の魅力となる部分を見せていければ、次の世代の子どもたちや、多くの人に魅力を知ってもらえると思います。体操界の発展に貢献していくことが今後の目標になります。もう一つは東京で団体の金メダルを獲れなかったので、パリでは団体で金メダルを獲ることです。日本の体操は世界一だということを示したいです」


こちらのインタビューのほか、体操を始めたきっかけや印象に残っている大会、初めての世界選手権や、オリンピックイヤーとなった2021年の振り返り、個人総合6種目の魅力など、カラー4ページにわたるインタビューは、3月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツVol.89』に掲載されています。


橋本大輝(はしもと・だいき)
2001年8月7日生、千葉県出身。2人の兄の影響で6歳から体操を始める。市立船橋高校を経て順天堂大学に進学。高校3年時に高校生で日本代表として世界体操競技選手権に出場し、団体銅メダル獲得に貢献した。2021年は全日本体操競技個人総合選手権、NHK杯体操競技選手権個人総合で優勝。東京2020オリンピック競技大会では団体銀メダル、個人総合、種目別鉄棒で金メダルを獲得した。
 

スマイルスポーツデジタル版はこちら
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スマイルスポーツ誌のインタビュー特別編!
橋本大輝選手の素顔が分かるQ&Aインタビュー動画と読者の皆様へのメッセージはこちら
 


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