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2022-03-14

【NFL】史上最高のQBトム・ブレイディが引退撤回 Cロナウドの活躍が刺激?「自分の居場所はフィールド」

自身のSNSで「自分の居場所はフィールド、23年目のシーズンに戻る」と引退を撤回表明したブレイデイ=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLの「史上最高のQB 」トム・ブレイディが、現地3月13日午後6時過ぎ(日本時間14日午前8時過ぎ)、引退を撤回し、2022年のシーズンも現役選手としてプレーすることを表明した。「自分の居場所はフィールド」「23年目のシーズンに戻ってくる」と、自身のツイッターとインスタグラムに投稿した。2月1日に、SNSで引退を発表してからわずか40日での撤回となった。

These past two months I’ve realized my place is still on the field and not in the stands. That time will come. But it’s not now. I love my teammates, and I love my supportive family. They make it all possible. I’m coming back for my 23rd season in Tampa. Unfinished business LFG

 「この2カ月で、自分の居場所はまだフィールドにあり、スタンドにはないことを悟った。いつかは、その時は来るだろう。でも、今ではない。僕はチームメイトを愛しているし、支えてくれる家族も愛している。彼らのおかげですべてが可能になる。タンパでの23年目のシーズンに戻ってくる。未完成のビジネス LFG」


自身のTwitterアカウントで「自分の居場所はフィールド、23年目のシーズンに戻る」と引退を撤回表明したブレイデイ

ブレイディは2021年、NFL22年目のシーズンに、タンパベイ・バッカニアーズのQBとして、パス獲得ヤード(5316)、TDパス(43)、パス試投回数(719)、パス成功回数(485)など、ほとんどのパス部門でNFLトップだった。パス獲得ヤードは44歳にして自己最高、パス成功回数は1シーズンのNFL新記録だった。バッカニアーズは13勝4敗で、NFC南地区で優勝した。


 しかし、プレーオフのディビジョナルラウンドで、ロサンゼルス・ラムズに敗退し、個人最多となる8回目のスーパーボウル優勝は成らなかった。その後、2月1日に自身のツイッターアカウントで引退を発表していた。

Cロナウドの一言が引き金?

 引退撤回の発表は、ブレイディが自身のインスタグラムで、サッカーのスーパースター、クリスティアーノ・ロナウドが 「もう終わったんだろ?」と尋ねる動画を投稿したのと同じ日だった。

 マンチェスター・ユナイテッドに所属するロナウドは、3月12日のプレミアリーグ、トッテナム・ホットスパー戦でハットトリックを達成し、通算807ゴールで、サッカー史上最多得点者となっていた。ブレイディはこの試合を2人の息子とともに観戦、試合後には「GOAT(史上最高)」同士の2ショットを撮影していた。ブレイディは引退撤回をずっと検討していたのだろうが、ロナウドの活躍と記録、そして一言が引き金となった可能性はありそうだ。

3月12日の対トッテナム戦で、ハットトリックの大活躍を見せたマンUのCロナウド。ブレイディはこの試合を観戦していた=photo by Getty Images

引退撤回の数時間前、ブレイディは、息子2人と観戦したマンU対トッテナム戦について投稿。ロナウドはこの試合でハットトリックを決めていた

喜びをあらわにするバッカニアーズ

バッカニアーズは「歓喜!トム・ブレイディが2022年もタンパベイ・バッカニアーズのQBとなる。日曜日、ブレイディはソーシャルメディア上で『未完成のビジネス 』を解決するために『戻ってくる』ことを発表し、2月に発表した短い引退生活に終止符を打った。」と球団公式サイトで速報し、喜びをあらわにした。

Rejoice! Tom Brady will be the Tampa Bay Buccaneers' quarterback in 2022.

On Sunday, Brady announced on social media that he was "coming back" to settle some "unfinished business," ending the brief retirement that he had announced in February.


バッカニアーズは、ブレイディが移籍後の2年で、ポストシーズンを含む39試合中29試合に勝利し、2020年にはスーパーボウル優勝、2021年にはNFC南地区優勝を果たした。

 ラムズに敗れたディビジョナルラウンドプレーオフでも、最大で24点をリードされた状況から、いったんは同点に追いついた。過去2年間で、ブレイディの魔法のような力を、誰よりも実感しているチームだった。

 バッカニアーズは2021年にパスヤードでNFL1位、得点で2位となったオフェンスで、最も重要な選手の一人、WRクリス・ゴドウィンにフランチャイズタグを付けたばかり。今後、FAで20人以上の選手がマーケットに出る予定だった。しかし、ブレイディが復帰すれば、金銭面以外で、バッカニアーズが強力な求心力を持つことになる。バッカニアーズがスーパーボウルの有力候補となるのは間違いなく、FA流出が最小限で収まる可能性もあるからだ。

 この数年、NFLはオフシーズンにスターQBの大型トレードやFA移籍が頻発し、「QBシャッフル」と呼ばれていた。今回、ブレイディは引退を40日間で撤回したことにより、シャッフルではなくステイで、NFLに波紋を起こすのかもしれない。
2021年シーズン最後の試合となったラムズ戦で、パスを投げるバッカニアーズのQBブレイディ=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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