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2022-03-18

【相撲編集部が選ぶ春場所6日目の一番】新関脇若隆景、1敗守り1差で追走

隆の勝の攻めを左にかわして引き落とし、1敗を守った若隆景

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若隆景(引き落とし)隆の勝

前日、玉鷲に押し倒されて2敗目を喫した横綱照ノ富士が、「右踵骨骨挫傷、左変形性膝関節症」の診断書を提出し、6日目から休場。第一人者の離脱によって、ますます混戦の様相を呈してきた。

トップの髙安は志摩ノ海を押し出して全勝を守ったが、1敗で追う7人の内、輝、千代の国、霧馬山、阿炎が敗れた。

1敗の新関脇若隆景は小結の隆の勝と顔が合った。対戦成績は隆の勝の4勝3敗と拮抗している。攻防のある熱戦が期待された。

立ち合い、先に手をついて待つ若隆景。頭から当たっていったが、隆の勝に突き放され、土俵際まで追い込まれた。若隆景は右に回り込み、右ノド輪、左おっつけで逆襲。隆の勝の叩きにもよく足が出て落ちず、逆に攻め返してきた相手を左にひらりとかわして引き落とし。同年代のライバルを倒して1敗を守った。

「一生懸命に取った結果です。体は動いていますね」と若隆景。普段から口数は非常に少ない。

2日前、東北地方を襲った震度6の地震で、福島市の実家のちゃんこ店は食器が散乱するなど被害を受けたが、両親にはケガがなくひと安心。しかし、地元の被害は大きく、勝ち進んで福島の人を勇気づけたいところだ。

優勝争いの意識について聞かれた若隆景は、「まったくないです」とひと言。これまでは前半戦で上位と対戦し黒星先行も、終盤に連勝してしぶとく勝ち越しを決めてきた。今場所は関脇なので、終盤が強敵相手となる。中盤戦までにできるだけ白星を増やしておきたい。若隆景は最後に「頑張ります」と言って会場をあとにした。

優勝争いを整理すると、全勝で髙安ただ1人、1敗で御嶽海、若隆景、琴ノ若の3人。2敗で追うのが貴景勝、阿炎ら12人。髙安も終盤は大関、関脇と当たるだろう。大関から前頭4枚目ぐらいまで、力の差はほとんどないので、面白い争いになることは間違いない。

文=山口亜土

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