close

2022-03-30

【ボクシング】井上尚弥がドネアと再戦 「もっとはっきりと決着をつける」とKO宣言

「今度はしっかりと10カウントを聞かせる」と井上は早くもKO宣言

全ての画像を見る
 2019年、世界から年間最高試合と評価された2人の対決が再現される。WBAスーパー・IBF世界バンタム級チャンピオン、井上尚弥(大橋=28歳)とWBC世界同級王者ノニト・ドネア(フィリピン=39歳)の王座統一戦は6月7日、さいたまスーパーアリーナで行わることが、30日、都内で開催された記者会見で発表された。「13ラウンド目からの戦いだと思っています。前回以上の試合をお見せすると約束します」と井上は早くも闘志をむき出しにした。なお、この一戦はAmazon Prime Videoが独占生配信する。

「試合が決まった瞬間からわくわく感が止まりません。ドネア選手との対戦は一度は決着がついたと思っていますが、決まったからには前回以上の試合をお見せすると約束します。自分としては13ラウンド目からの戦いだと思っています」(井上)

 2019年11月7日、今回と場所も同じ、さいたまスーパーアリーナでの激闘が脳裏によみがえった。ドネアが暫定王座を含めれば5階級制覇するその原動力になった必殺の左フックに右目の眼窩底骨折を負いながら、井上は秘術を尽くしてこれを隠しきる。11回には強烈な左フックのボディブローでダウンを奪い、判定勝利を手にした。その両者の再戦がちょうど2年と7ヵ月目に実現する。村田諒太(帝拳)対ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)戦に続き、日本のボクシング界が提供できる最大のカードを、Amazon Prime Videoが中継するというのもビッグニュースに違いない。

 この日の会見にはドネアもビデオで出演し、雪辱への意欲もあらわにした。

「あの日、イノウエと私はスピード、パワー、テクニック、2人が持ちうるものすべてをぶつけあいました。自分にとっても学びになったし、生き返るきっかけになった戦いでした。早く再戦がしたかった。自分のパワーを用いて今度は倒したい。モンスターをハントします」。さらに、こう続ける。「残る目標は4団体統一。そのために、イノウエを罠にはめたいと考えています」
チーム井上の戦いの準備はすでに始まっている。右端はAmazon Prime Videoのジャパンカントリーマネージャー、児玉隆志氏
チーム井上の戦いの準備はすでに始まっている。右端はAmazon Prime Videoのジャパンカントリーマネージャー、児玉隆志氏

 じっとビデオ画面のドネアを凝視していた井上は、質疑応答が開始されると、どの言葉にも炎が纏って聞こえた。

「もちろん、ドネアにはあれだけの経験があるんですから。でも、どんな罠を仕掛けてこようと、すべてに対応してみせます」

 それから、前の戦いでダウンを奪った時の、レフェリーのロングカウントを引き合いに出して、とどめのひと言。

「あのときは幻の10カウントがありました。今度はそうはいかないぞ。しっかりと10カウントを聞かせます」

 今から待ち遠しい6月7日。すでに戦いの幕は切って落とされた。

文・写真◎宮崎正博

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事