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2022-05-09

【相撲編集部が選ぶ夏場所2日目の一番】若隆景、御嶽海敗れ三役以上の全勝消える

土俵際で玉鷲に動かれ両手をバッタリついた若隆景

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玉鷲(引き落とし)若隆景

初日から照ノ富士と正代、貴景勝の両大関が敗れ、波乱の幕開けとなった夏場所。三役以上で勝ったのは小結大栄翔、関脇若隆景、大関御嶽海の3人だけだった。

先場所、新関脇で初優勝し、今場所で二ケタ以上勝って大関への足場を固めたい若隆景は玉鷲と対戦。過去は5戦5勝と合い口がいい相手だ。

立ち合い、頭から角度よく当たった若隆景。いつものように下から起こして前に出る。玉鷲の突きをうまくあてがって威力を半減させ、土俵際まで追い込んだが、玉鷲にサッと右に動かれると、足がそろってバッタリと両手をついた。

若隆景に初めて勝った玉鷲は、「冷静に反応してよかった」と第一声。「下から来るので、自分もしつこく前に出ようと思っていたけど、押されちゃいましたね。でも、差されないようにしたし、やることはやったなという感じです」と笑顔を見せる。

これまで若隆景を苦手としていた理由として、「押したら軽くて逃げられるし、止まったら下からやられるし」と説明。それを踏まえて、「よく相手を見て、止まらないようにいこうと思っていました」と作戦がうまくはまった形だ。優勝経験もある37歳のベテランが元気に連勝スタートを切った。

若隆景は場所前に、「負けるときは足がそろって前に落ちることが多いので、それが課題」と語っていたが、その悪い癖が出てしまった。どちらかの足が一歩前に出ていれば、あの引きで落ちることはなかっただろう。ただ、その前の攻めは厳しく、調子は悪くないと思うので、3日目以降が大事になってくる。

この日は若隆景の前に大栄翔が敗れ、御嶽海も豊昇龍に押し出されてしまった。これで三役以上の全勝が2日目にして消滅。こんなこと、過去にあったのだろうかと調べてもらったら、明治23年夏場所までさかのぼった。実に132年ぶりである。

先場所の新関脇優勝が86年ぶり、その前の長野県出身力士の新大関が227年ぶり。そして、若隆景が大関に上がれば、福島県出身力士として141年ぶりだそう。改めて相撲の歴史はすごいなあと思う次第です。

文=山口亜土

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