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2022-06-12

「イランの10万人のスタジアムでも日本人は割とフェアに吹ける!」家本政明が語る審判の魅力や秘話~リポビタン for Sports presents「The Deep」~

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スポーツライターの金子達仁(左)がパーソナリティーを務める「The Deep」第28回放送のゲストは、Jリーグ516試合で主審を務めた家本政明氏(右)が登場

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 6月12日(日)20:00~、スポーツライターの金子達仁氏がパーソナリティーを務めるニッポン放送のリポビタン for Sports presents「The Deep」の第28回放送では、J2、J3を含めてJリーグ史上最多の516試合で主審を務め、2021年12月4日の横浜F・マリノス対川崎フロンターレの試合をもって引退した家本政明氏が登場した。

家本さんは何に審判のやりがいを見つけたのですか?

「一つだけじゃないです。今で言うと、イニエスタ選手、遠藤保仁選手の凄いプレーが目の前で見られる。言い方が変ですが、直接話もできるじゃないですか。そういう喜びは一サッカーファンとしてはありました。ゲームは生もので、少し先にどうなるか分からない。多くの選手、応援するサポーターのために、より良い試合にしたいという思いで試合を整えようとするものです。その中で反則があって自分が笛を吹くけど、それをうまく選手が理解してくれて、試合がより良い方向に行けば、試合が終わったときに誰にも褒めてもらえなくても、凄く充実感があります。選手は勝った負けたがあるにせよ、切り替えて次に向かえる。サポーターが凄く喜んだり、残念がったりする。でも、レフェリーに対する攻撃シーン、罵声がないのは、精一杯やったことで一定の成果が出たので、喜びの一つだと思います」 

影響を受けた審判は?

「高田静夫さんは最初の印象が凄く強かったです。ディエゴ・マラドーナが活躍した1986年のメキシコワールドカップで“あ、日本人の審判がいるんだ!”と思いました。その次の90年イタリアワールドカップにもまた出場している。それが一つのきっかけでした。高田さんの現役最後の頃を見ていましたけど、本当に日本を代表する方という印象です。ただ、僕のパーソナリティー、考え方とは少し違うので、“僕はこの路線じゃない”と思って見ていました。ヨーロッパの特定のレフェリーの名前は挙げませんが、面白いな、凄いな、参考になるなと思う部分がありました。ある一人の審判ではなく、色んな審判のシーンごとですけどね。こういうときはこういうやり方があるんだな。この人上手いなと、参考になりました」

ワールドカップ予選で忘れられない試合がありますか?

「試合後に、お客さん、チーム関係者がワーッとピッチになだれ込んできて、僕の周りをセキュリティーチーム10何人かに盾で守ってもらいながら、ロッカールームに帰ることもありました。それは僕の判定がどうのこうのじゃなくて、チームやお客さんに問題があった。よく“レフェリーのコントロールが悪いからこうなった”と言われるんですけど、その試合に関してレフェリーに問題はなかった。海外で色々経験してます」

読者からの質問です。試合中、試合後にあの判定はサポーター、スタジアムの雰囲気に引っ張られちゃったな!ということはありましたか?

「ないです!(爆笑)即答です。判定を下した後に、その反応なら“間違えたかな?”というのはあります。あとで、ビデオで確認したいなと思うことはありました」

でも、イランのアザディ・スタジアムでは10万人の野太い声の中でフェアに裁くのって、メチャクチャ難しくないですか?

「それが日本人だから出来るんですよ。日本人だから。と、僕は思います。あまり苦じゃなかったですね。サウジアラビアに行っても、ウズベキスタンに行っても言われましたよ。“なんで、お前はフェアなんだ?!”って。“だって、これが俺の仕事だもん!”みたいな感じで」

やっぱり、世界中多くの人が引っ張られますよね?

「よく、(ホームチームに判定が有利になる)ホームタウン・デシジョンってあるじゃないですか」

僕は、あの空気はホームタウン・デシジョンにならざるを得なくなると思う。

「彼らも、レフェリーも“それがフットボールだ!”と平気で言いますしね。でも、日本人は割と違う」

出来るんだ? 家本さんも多くの日本人も?

「うん、そうですね。そのとき身に危険が迫ったら、それはそのとき考えるかなという感じです」


家本政明氏の軽快なトークであっという間に時間が過ぎていった

もう引退しましたが、現役時代の家本さんがコンディション維持で気をつけていたことは何ですか?

「一番は睡眠です」

日々のトレーニングはどんな感じでやっていたのですか?

「日によって違いますよね。試合のスケジュールにもよります。週一で土曜、土曜が担当する試合なら、中日の水曜に強度の高いトレーニングを入れて、その前後は少し強度を落としたり、筋トレを入れたりする。リカバリーも入れます。僕は完全オフはあまりしなかったほうです。やったことはあるんですけど、なんかダレちゃいます。オフでも軽く散歩したり、柔軟はやってました」

でも、だいぶ疲労もきますよね?

「だいぶきついです。連戦はやはりきついです」

週一がマックス?

「いやいや。もっときついのありますよ。一番きつかったのは8連戦。水、土、水、土、水、日、火、土とか。レギュラーの選手も同じですけどね。審判の全員じゃないですけど、トップレフェリーの何人かは国内、国外も入れてこのようなきついスケジュールがありましたよ」

 世界で認められた日本人審判員、国際試合の緊張感、南米の審判の特性など、家本氏の話をさらに詳しく聞きたい方、今回の放送を聞き逃した方は無料アプリ「radiko」でタイムフリー機能を使えば、放送1週間後まで聴取可能となる。

大正製薬
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ニッポン放送 
リポビタン for Sports presents 「The Deep」
毎週日曜20時~絶賛放送中。
radikoで放送1週間後まで聴取可能。
ポッドキャストではディレクターズカット版を配信中。
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