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2022-06-26

【陸上】サニブラウンに次ぎ2人目! 坂井隆一郎が男子100m世界選手権参加標準突破の10秒02で代表に内定。男女ハードルでも好記録/布勢スプリント

坂井は日本歴代7位タイの10秒02をマークし世界選手権代表に内定

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オレゴン世界選手権の参加標準記録の適用期限最終日に当たる6月26日、「直線は布勢だ」をキャッチフレーズにする布勢スプリント2022(鳥取・ヤマタスポーツパーク)が行われ、有力選手が集結。男女100m、男女ハードルで好記録が相次いだ。

坂井が会心の走りで代表内定

男子100m予選では、坂井隆一郎(大阪ガス)が日本歴代7位タイとなる10秒02(+1.1)をマーク。坂井は6月上旬日本選手権で2位に入っており、世界選手権参加標準記録(10秒05)を突破したことで、代表内定条件を満たした。

そのレース、坂井は生命線といえるスタートをいつも通りに決め、程よい追い風を受けながらトップスピードを維持。「ゴールするまでは(10秒)05を切っているとは分からなかったです」という感触だったが、速報タイマーは10秒03で止まった。「公認になってくれ」と祈りながら正式記録を待ち、「10秒02、追い風1.1m」と発表され、笑顔を弾けさせた。

昨年はケガの影響で五輪代表選考に加われなかった。それでも「腐らず、世界選手権、パリ五輪と世界大会が続くので、頑張らないといけない」と気持ちを切らさなかった。冬季に取り組んだウェイトトレーニングでは、走りにつながるよう、「重いメニューをやっても、その後、軽い重さで、必ず速い動きで終わるようにしていました」と坂井。体重は3kg増え、「レースの後半に上半身でもっていけるようになり、減速が減ったと思います。腕の振りとか、脚の軌道とか、自分のやりたいことをできるようになりました」と筋力効果を実感している。

10秒02となると、9秒台への期待も膨らむ。

「(日本選手権決勝の)10秒10のときは、まだ1、2年かかるかなと思いましたが、今日02が出て、世界選手権でも9秒台が目標ですし、今季中、遅くても来年にはと思っています」

日本人5人目の9秒台が視界に入ってきたようだ。

坂井は記録狙いのレースだったこともあり、決勝は出場しなかった。勝ったのはデーデー・ブルーノ(SEIKO)で、10秒20(+0.1)。小池祐貴(住友電工)らに競り勝った。今季序盤は精彩を欠いていたが、「中盤から後半の走りに、本来の自分の動きが少しずつ戻ってきたのかなと思います。今年の世界選手権はダメですが、世界へという気持ちは変わらず、パリ五輪に向けて意識を向けていきたいです」と、今後の視界を明るくする収穫をつかんでいた。

女子100mの兒玉は予選で追い風参考ながら11秒2台をマーク 写真/松村真行
女子100mの兒玉は予選で追い風参考ながら11秒2台をマーク

女子100mでは予選で兒玉芽生(ミズノ)が11秒26(+3.1)をマーク。決勝は11秒38(+0.3)で、11秒36の君嶋愛梨沙(土木管理総合試験所)に競り負けたが、「どんな風でも(11秒)2台の速度を体験することを目的にしていたので、今後の自分につながると思います」と記録への意欲を高めていた。

福部は予選で日本歴代3位
高山が
予選・決勝共に標準突破

女子100mHでは日本選手権優勝の福部真子(日本建設工業)が予選で日本歴代3位の12秒93(+1.7)をマーク。日本記録保持者の青木益未(七十七銀行)も12秒97(+0.7)で走り、決勝での世界選手権参加標準(12秒84)突破が期待された。

決勝は2人が隣り合うレーン。ほぼ並んでいたが、じりじりと青木が前に出て、12秒97(-1.0)で優勝した。福部は13秒04で2位。

「福部さんが予選で12秒台に入り、2人で競れば(12秒84を)切れるかなと思っていました」(青木)、「予選は体が浮いていたので、これで12秒9かぁと。決勝では(12秒84を)狙えると思っていたのですが」(福部)と、それぞれ振り返ったように、2人の調子がよかっただけに向かい風が恨めしい結果になった。

それでも青木は「12秒台を2本出せたのはよかった」と前向き。福部も「自信がつきました」。ともに標準記録は突破できなかったが、ポイントランキングでの世界選手権出場の朗報を待つ。

2週間前の日本選手権優勝者・福部は予選で歴代3位の12秒台に突入した 写真/松村真行
2週間前の日本選手権で初優勝を果たした福部は予選で歴代3位の12秒台に突入した

男子110mHは、高山峻野(ゼンリン)が予選で13秒31(+0.5)、決勝も13秒32(-0.5)と共に世界選手権参加標準(13秒32)を上回る快走を見せた。「13秒5を切れればいいなと思っていたので、3台はなんとなく出ちゃったなという感じです」と言う。

高山は2本共に世界選手権標準を上回る記録をたたき出した 写真/松村真行
高山は2本共に世界選手権標準を上回る記録をたたき出した

高山は日本選手権5位、同3位の石川周平(富士通)が今大会予選で13秒39(+2.0)をマークしたが、決勝では13秒74(4位)と参加標準に届かず。

世界選手権日本代表は、6月末のワールドアスレチクス(WA)が発表する最新のポイントランキングを受けて、決定される。

文/中尾義理 写真/松村真行

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