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2020-09-13

【ボクシング】京口、三代、久我、谷口が熱海合宿終了。「めちゃめちゃ中身が濃かった」

WBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人(26歳)、東洋太平洋スーパーフェザー級王者・三代大訓(みしろ・ひろのり、25歳)、日本スーパーバンタム級王者・久我勇作(29歳)、元WBOアジアパシフィック・ミニマム級王者(現WBO3位)谷口将隆(26歳)のワタナベジム・カルテットが13日、静岡県熱海市で行った3日間の合宿を打ち上げた。

上写真=左から三代、久我、京口、寺中氏、谷口。なぜか全員棒を持つ。野性の目覚め!?

 これまで、スパーリングメインのキャンプはフィリピン等で行ってきた経験のある京口だが、フィジカル主体の合宿はこれが初めて。昨年7月から週1回、ジムで合同トレーニングを指導している寺中靖幸(てらなか・のぶゆき、42歳)さんを招いて、「海、砂浜があるところで鍛えたかった」という。

ヒザを高く、前に。京口のダッシュ

三代のダッシュ。負荷がある上に、バランスを取りづらい砂の上。ボディバランスも鍛えられる

 1周800m。しかも急勾配のあるコースを、タイムを計りながら6本。「それがめっちゃキツかった」(京口)と語るが、基本的には砂浜でのショートダッシュが主で、10m10本、30m10本、50m10本を積み重ねた。
「今回は『ミドルゾーン』という言葉を使って、ミドルからハイにターゲットを絞っての心肺機能の強化をテーマにしました」と寺中氏。ご承知のとおり、おそろしく負荷のかかる砂浜上でのダッシュでは、スピードもさることながら、フォームを細かく繊細にチェック。「ボクシングは、より速く、より強く、より繊細な競技。普段のトレーニングから常に雑にならないように、常に自分の体に意識を置いて、繊細な動きを心掛けさせています。体操からトレーニングの終わりまで、何かを意識しながら動く。神経系トレーニングの中に『動的柔軟性ドリル』というのがあるんですが、動きの中での柔軟性、動きの中での繊細さ、動きの中でのコントロール能力といったものを意識させる」(寺中氏)
 それをベースにした砂浜上でのシャドーボクシングは、「普段の倍以上疲れる」と、全員異口同音。苦笑いで振り返った。

各々が、全身を細かく意識しながらシャドーに取り組む

 京口は11月3日(火・祝)、インテックス大阪で11位で無敗(14勝12KO)のタノンサック・シムシー(20歳、タイ)とのV3戦。三代はその2日後の5日(木)、東京・墨田区総合体育館で元WBO世界スーパーフェザー級チャンピオン伊藤雅雪(29歳、横浜光)とライト級10回戦という大一番がすでに決定している。
 また、谷口、久我は新型コロナウイルスの影響で延期となっていたチャンピオンカーニバル(日本タイトルマッチ)が控えている。谷口はおそらく年内に、久我は年明けの戦いとなりそうだ。

 合宿参加は初めてという三代は、「トレーニング以外でも、先輩方と一緒に行動できて、学ぶことがあった。技術で(伊藤を)上回りたい? いや、今回はそういうことは考えず、とにかく“勝つこと”だけに集中したい」。背筋の発達が際立つ谷口は「早く試合がしたいけれど、この期間で、パンチを強く打つ体の使い方を学んでいて、大きな収穫です」。久我は、「試合が決まっていないこの期間に何をするかが大切」と、各人、日焼けした顔の中、鋭い眼差しを投げかけた。

終了の瞬間、海へ駆け出す京口と谷口

「みんなチャンピオンですし、意識が高い。そんな中でできたので、めちゃめちゃいい合宿になりました」と京口。合宿を終えた解放感もあって、顔をほころばせた。

 明るく、仲良く、けれど切磋琢磨。「誰ひとりケガなく、質の高い練習ができました」と、4選手が「鬼軍曹」と呼ぶ寺中トレーナーも納得の3日間だった。

文&写真_本間 暁

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