2022-07-15

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所６日目の一番】カド番正代、苦手の大栄翔を下して２勝目

大栄翔の突きに下がらず一気に押し出した正代

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正代（押し出し）大栄翔

正代という力士は本当につかみどころがない。４日目に初白星を挙げて乗っていけるかと思っていたら、５日目は時津風一門の大関として稽古をつけていた若元春に完敗。大関初挑戦の若元春に恩返しをされてしまった。
　
勝てる相手だった５日目に敗れ、６日目は苦手の大栄翔戦。対戦成績は正代の７勝12敗で最近は４連敗中と苦戦している。これはもうダメかなと見ていたら、目の覚めるような相撲を見せてくれた。
　
立ち合い、左足から踏み込んだ正代。大栄翔は正代の胸元めがけて突きを繰り出す。いつもなら突っ張りを受けて下がってしまう正代だが、一歩も下がらず、逆に前に出る。立ち合いの圧力で上回っていた。正代の左がのぞくと、大栄翔は左に回り込みながら引くが、正代の追い足は速く、一気に押し出した。これで２勝目。カド番脱出へあと６勝とした。

「立ち合い、当たり負けしないように伸びすぎないように注意していった」と正代。この２日間は、意識して相手を見て受ける立ち合いをしていたが、踏み込みよく先手が取れた。

「今日は踏み込めたんじゃないかな。それで立ち合いの勢いがよく伝わった。その勢いのまま勝負にいけました」と振り返る。
　
正代が大関に上がる直前は、腰高でアゴが上がりながらも、どんどん前に出ていた。当時の相撲を思い出し、開き直って取ってほしい。

「今日みたいな攻める相撲が取れれば、いい方向に変わってくると思う。星的に苦しいですけど、今日のような相撲を取っていけたらと思います」と天敵の大栄翔に勝った相撲がきっかけになるかもしれない。
　
優勝争いは逸ノ城がただ１人全勝を守り、１敗は翔猿だけとなった。２敗の役力士は横綱照ノ富士と大関貴景勝の２人だけ。逸ノ城は７日目の正代戦で大関以上との対戦を終えるが、平幕上位までは力の差がなく、どう転ぶのか、まだまだ予想はできない。

文＝山口亜土

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