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2022-07-27

【世界陸上】男子4×400mリレーメンバーが振り返るアジア新&4位と今後への確かな手応え「力を付けて、またみんなが力を合わせばメダルが取れます」(ウォルシュ)

アジア新で4位入賞を果たしたメンバーたち(左からウォルシュ、川端、佐藤、中島) 写真/三尾 圭

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オレゴン世界選手権で、2分59秒51のアジア新記録で4位入賞を果たした日本の男子4×400mリレー(マイルリレー)チーム。ここ10年近く4×100mリレーが注目を浴び続けるなか、2004年アテネ五輪以来、世界選手権、オリンピックで決勝すら進むことができずにいた状況を、ついに打破。新たな歴史を刻むべく、大きな一歩を踏み出し、その存在感を世界にアピールした。
7月26日、帰国したマイルリレーメンバー4人のコメントを中心に、予選、決勝の戦いぶりを振り返る。

予選で流れをつくった
1走・佐藤&2走・川端

予選では「理想としていた1、2走の流れができました」と1走の佐藤風雅(那須環境)が言えば、2走の川端魁人(中京大クラブ)も次のように説明した。

「(待っている間に)1走の走りを大型ビジョンで確認します。300mの位置を見て、どう行くかを考えます。予選は佐藤さんが良い位置でもってくれたので、落ち着いて入って後半の走りにつなげました」

アメリカが1走から大きくリードして終始独走したが、佐藤は2位のジャマイカに次いで45秒51の3位でバトンをつないだ。2走の川端はオープンレーンになった時点ではジャマイカ、トリニダード・トバゴに続く4番手。川端は200m通過で2チームに1mほどの差をつけられていたが、カーブの出口から追い上げ始め、リレー直前でトリニダードトバゴを抜いて3位で3走にバトンを渡した。

川端のスプリットタイムは45秒07。全体4位のタイムでチームのポジションをしっかりキープした。

3走のウォルシュ・ジュリアン(富士通)はバックストレートを、スピードは出しているがジャマイカの後ろを3番手で落ち着いて走っているように見えた。

「ストライドを意識した感じでついて行ったらすごく軽く走ることができたんです」

3コーナーから4コーナーにかけてジャマイカに並びかけ、最後の直線はジャマイカとトリニダード・トバゴの3チームで激戦になったが、ウォルシュが0.05秒、ジャマイカに先着して2位で4走にバトンを渡した。

4走の中島佑気ジョセフ(東洋大)は「ジュリさんで前に出て僕がキープする」という展開を実行した。2位争いの前を譲らないように100mまではスピードを上げたが、その後は少しペースを抑えたように見えた。バックストレートの中盤で一度はトリニダード・トバゴとジャマイカに前に出られてしまった。

たが、すぐにスピードを上げてインを取らせない。300mではトリニダード・トバゴが前に出てインを取ったが、それを外側から抜き返す。ジャマイカがさらに外側から前に行ったが、中島は残り30~40mでジャマイカの前に出てアメリカに続いて2位でフィニッシュした。

予選のタイムは3分01秒53。2分58秒96のアメリカに次いで予選全体でも2番目だったが、同じ組のジャマイカも3分01秒59、2組1位のベルギーも3分01秒96と同じ3分1秒台で、メダル争いは熾烈を極めそうだった。

文/寺田辰朗

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