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2022-08-01

【ボクシング】「自分のスタイルを貫く」(宇津木秀)「週12杯から5杯にします」(ジロリアン陸)。注目の日本ライト級タイトルマッチは11月17日!

王者の風格を漂わせる宇津木(右)と“定番”のラーメンを食べるポーズをするジロリアン

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 上昇評価が止まらない王者・宇津木秀(うつき・しゅう、28歳=ワタナベ)対“ラーメンマニア”の挑戦者ジロリアン陸(本名:高橋陸、34歳=フラッシュ赤羽)。注目の日本ライト級タイトルマッチ10回戦は11月17日(木)、東京・後楽園ホールに決定! 1日、両者、両会長を交えた会見が都内で開かれ、各々が試合に向けて語った。

文&写真_本間 暁

 何から何まで対照的な両者の激突が決まった。すでに、後楽園ホール興行の際に発表されていた対戦だが、あらためて両陣営が集うと、この“違い”はいっそう顕著になった。

本人は至ってマジメに心境を話すものの、いちいち笑いを誘うジロリアン
本人は至ってマジメに心境を話すものの、いちいち笑いを誘うジロリアン

「いつも減量で死ぬような思いをしているので、今回は早めにダイエットをしたい」と語るジロリアンが、「ラーメンは週12から5杯にしたいと考えています」と当面の“計画”を明かし、「いま(の体重)は75kgです」と言えば、宇津木は「67kg」。ライト級リミットは61.2kgだから、ジロリアンは、抑えているといってもかなりの減量幅だ。

「自分のボクシングを貫く」と王者。オールラウンドに磨きをかける
「自分のボクシングを貫く」と王者。オールラウンドに磨きをかける

 平成国際大学主将。108戦81勝27敗。全国大会優勝こそないものの、トップアマチュアとして鍛練を重ね、プロデビュー後も連戦連勝(現在の戦績は11戦11勝9KO)。日本王座も獲得し、初防衛も快勝で終えている宇津木は、一般的には「エリート」。
 対してジロリアンは、プロの叩き上げ。プロ初戦では、人気お笑いグループ、『ロバート』山本博のプロデビュー戦にして唯一の試合の相手を務めた(壮絶な打撃戦の末、4回TKOで山本に凱歌)ことで、注目を集めたが、その後も常にインパクトを与えている。2017年東日本スーパーフェザー級新人王として、西軍代表だった森武蔵(当時・薬師寺、現・志成、元WBOアジアパシフィック・フェザー級チャンピオン)と激突(5回判定負け)するなど、そのキャリアもさることながら、「路上マジシャン」として生活費を稼ぎ、前出のとおり、無類のラーメン通として人気バラエティ番組に出演するなど、実生活のユニークさが知名度の高さに結びついている。17戦14勝(13KO)3敗。

左から川島勝会長、ジロリアン、宇津木、渡辺会長
左から川島勝会長、ジロリアン、宇津木、渡辺会長

「ジロリアン選手は自分の売り出し方が上手い。そういう選手と戦えるのは、宇津木にとっても嬉しいこと」と渡辺均会長。すでにかなり注目されていることからもわかるとおり、YouTubeチャンネルも好評のジロリアンの知名度を飲み込んでしまいたいというのが宇津木側の構想である。
 試合が終わるたびに、「日本チャンピオンなんてとんでもない。ランカーと戦うことだって怖いんですから」と引退をほのめかしてきたジロリアンだが、「このまま引退してしまったら、応援してくれる人たちに申し訳ない」とその都度翻意。今回の王座挑戦も「応援してくれる人たちの期待に応えて、できれば勝ちたい」と、彼の中ではハイレベルなやる気を見せている。

「(ジロリアンは)パンチが強い。カウンターも得意」(宇津木)
「(宇津木は)基本に忠実。穴がない。なかなか崩しづらい」(ジロリアン)

 互いの特長、印象を語りつつ、「自分のボクシングをするだけ。それを貫く。ディフェンスをしっかりしたい」と王者が言えば、「普通にボクシングをやったら勝てない。どこかで1発当てたい」とジロリアン。緩急、強弱、間を自在に操り、防御でもリズムを作って小気味よく攻めていくことができる宇津木。現在、4連続KO勝利中で、右ストレート、左フックのカウンターに神憑り的なタイミングを持つワンパンチフィニッシャーのジロリアン。実績からすれば宇津木有利と言えるかもしれないが、ジロリアンには予想外のタイミング、距離で一撃を決める“アンビリーバブルさ”がある。スリリングな展開は、試合が終わるその瞬間まで続くはずだ。

身長はともに174cmの右構え。宇津木はテンポよく攻めていくボクサーファイター型。ジロリアンは相手を呼び込むこともできるボクサータイプだ
身長はともに174cmの右構え。宇津木はテンポよく攻めていくボクサーファイター型。ジロリアンは相手を呼び込むこともできるボクサータイプだ

「もちろん、今は目の前の試合に集中するけれど、海外での戦いも視野に入れて、世界を目指したい」という宇津木に対し、ジロリアンは「僕のボクシング人生はそう長くない。もう、終活みたいなもの。でも、消える間際にもう1回大きく燃え上がりたい。(この試合後)自分で決めていることはあるけれど、それは勝敗によって変わることはない」。

 目指す場所は大きく異なる両者。これまでの試合へ臨む姿勢も随分と違いがあったようだが、だからといって、勝敗が約束されるわけではない。だからこそ、ボクシングは幾多のドラマを世界中で生み続け、歴史的に大衆を惹きつけてやまないのだ。
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