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2022-08-16

【ボクシング】鬼門タイで絶対に勝ちたい! 田中教仁が31日WBC王者パンヤーに挑戦

田中(中央)を三迫会長(右)、鈴木トレーナーがバックアップ

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 元日本ミニマム級チャンピオンで、現WBC同級14位の田中教仁(たなか・のりひと、37歳=三迫)が今月31日、タイ・ナコンラチャシマでWBC同級王者パンヤー・プラダッブシー(31歳=タイ)に挑戦することが16日、オンライン会見で発表された。田中は2020年3月の初挑戦に続き、2度目の世界トライも“鬼門”でということになる。

文_本間 暁
写真提供_三迫ボクシングジム

 試合までわずか2週間という発表。あまりに急な印象がぬぐえないが、陣営に話が来ていたのは「かなり前から」とのこと。田中の前戦は2020年11月下旬までさかのぼるが、それ以降、幾度となく話が出ては「コロナ禍の影響で」消え、本格化したのはひと月前だったという。「いつ試合が決まってもいいように、常に練習してきた。三迫ジムにはたくさん選手がいて、大きな試合もいくつもあった。そういう選手たちに刺激を受けて、心を研ぎ澄ませて自分も練習に取り組めてきた」と田中は言う。

 2度目の世界挑戦もタイということになる。前回は2年5ヵ月前。WBAスーパー王者ノックアウト・CPフレッシュマートに挑み、ダウンを奪われての判定負け。これまで日本人選手のタイでの世界戦戦績は「25敗1分」(JBC公認試合のみ)。ただの1度も勝てていないという、惨憺たる結果が歴然と残る。田中も「あの暑さに参った」と、リングに上がってみなければわからない“難しさ”を存分に味わわされた。

 前回挑戦後、すぐに三迫貴志会長に「今度やるときはまたタイで挑戦したい」と直訴したのだという。自らの屈辱を払拭したいという想いと、誰も勝っていない高い壁への挑戦。だから今回のことは願ってもない話。「会長に感謝したいです」と田中は笑顔を見せた。

2020年11月、デビュー以来54連勝だったワンヘン(右)を攻略し王座奪取
2020年11月、デビュー以来54連勝だったワンヘン(右)を攻略し王座奪取したパンヤー

 チャンピオンのパンヤーは、長らく難攻不落と言われてきたワンヘン・ミナヨーティンを破って王座を奪取。その後、リターンマッチでもこの“ビッグネーム”を一蹴しており、今回が3度目の防衛戦となる。「タイの選手はフィジカルが強いという印象があるが、テクニック系」と田中が言えば、鈴木啓太トレーナーも「ペラペラしている印象。体が柔らかく、“暖簾に腕押し”というイメージ」とボクサー・パンヤーを分析している。
 上体を立てて、ガードを下げ気味に構え、ストレート攻撃を主体とするものの、いきなりの左ボディフックも多く打つ。決してフットワーカーではないが、ボクサータイプと表現してよいだろう。動きは前後に直線的だが、スウェーバック、バックステップは巧みだ。ワンヘンが再三打ち込んでいったストレートボディは、田中にとっても必ず有効になる。が、入り際に左フックを合わせるのが上手いので、ここは要注意だ。

王者パンヤー 写真_WBC
王者パンヤー 写真_WBC

「タイの暑さを経験しているのは大きい。それに、今は日本の方が暑いくらい(笑)。敢えて、暑い時間を狙って走ったりしています」と、環境に対する覚悟は決まっている。あとは、「最近、自分のボクシングがおとなしくなっている。会長にも言われていたんですが、若いころのイケイケ、荒々しさを出して攻撃的にいきたい」

野性を取り戻して攻めまくる! と田中
野性を取り戻して攻めまくる! と田中

 慎重に相手を分析し、丁寧に相手の隙を見つけていくのがここ数年のスタイルだが、かつては最軽量級とは思えぬ豪快な一撃を放っていくパンチャーだった。しかし、遮二無二手を出していくのではなく、攻撃を仕掛けながら“穴”を探る。そういう“手練れ”が必要で、それができるキャリアも積んできた。

「タイで勝つということももちろんですが、それ以上にひとりのボクサーとして男としてパンヤーに勝ちたい」

“野獣”田中教仁復活に期待したい。
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