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2022-08-17

【競泳インターハイ3日目】大嶋千桜が女子100mバタフライも制し2冠!

昨日の女子50m自由形に続き、100mバタフライも制した大嶋(写真◎スイミング・マガジン)

高知市東部総合運動場[くろしおアリーナ]で開催中のインターハイ[競泳]は8月17日、大会3日目を迎え、男女個人8種目とリレー2種目で決勝が行われた。注目の女子100mバタフライでは大嶋千桜(大阪・四條畷学園2年)が初優勝して昨日の50m自由形と合わせて2冠を獲得したほか、男子100m平泳ぎでは佐藤洋輔(東京・武蔵野3年)が初めて高校チャンピオンに輝いた。
 男女800mフリーリレーでは、女子が兵庫・神戸野田が初優勝を飾り、男子は東京・日本大豊山が初日の400mフリーリレーに続いて頂点に立った。

 女子100mバタフライで大嶋千桜が59秒37で初優勝。今大会2勝目を挙げ、スプリント能力の高さを証明した。ところが、微笑みこそ浮かべているが、弾けるような笑顔はなし。その理由は目指していたタイムではなかったからだ。
「優勝はうれしいですが、58秒台を出したかったので悔しいです。前半で力んでしまったり、ターン後の浮き上がりがうまくいかなかったりしてしまったところが心残りです」
 100mバタフライは中2の全国中学で優勝したことのある思い入れの深い種目だ。しかし、このとき以来、自己ベスト更新から遠ざかり、昨年はインターハイ出場もならず。悔しい思いを味わってきたという。そこに光が差したのは今年5月。59秒48をマークして実に2年9カ月ぶりに自己ベストをマーク。6月には58秒86までタイムを縮め、これで一気に高校ランク1位に躍り出た。
「練習は自由形をメインにやっていてバタフライはたまに練習に入れる程度。でも、自由形のタイムが上がるとバタフライも上がってくれるようになってきました」と強化の成果を実感できるようになってきた。
 今後は、世界での活躍を見据え、自由形は100、200mの強化にも力を入れていきたいという。
「自由形だけじゃなく、バタフライでも頑張って、いろんな種目に出る幅の広い選手を目指していきたいです」
 まずは100mバタフライでは今季中に日本水泳連盟の定めるインターナショナル標準C(58秒36)超えを目指す。

男子100m平泳ぎ優勝の佐藤洋輔は努力の効果を実感

 男子100m平泳ぎ決勝。優勝した佐藤洋輔はタッチ直後、電光計時板を確認するやいなや雄叫びを挙げた。フィニッシュタイムは1分1秒32。
「まさか1分1秒台前半が出ると思っていなかったのですごくうれしいです。もちろん自己ベストです」
予選を1位で通過して臨んだ決勝では、前半50mを28秒90で入ってトップでターン。攻めの姿勢が前面に表れた真っ向勝負を披露した。今年は、前半から積極的に入っても後半バテない自信があったからだという。
「自分は努力できる人じゃなかったのですが、昨年のインターハイで予選21位に終わり久しぶりに悔しくなって、そこから変わったんです。陸トレをやったり、細かいことをコツコツやったり。そういう努力がタイムに表れるようになったのだと思います。やっぱり努力はしたほうがいいですね!」
 ただ、勝因はこれだけでなく、もうひとつあるという。それは「インターハイを楽しむこと」。なるほど、確かに入場でも表彰式でも笑顔が炸裂、その場その場を満喫しているようには見えるけれど、本人としては「楽しむこと」はどういうことだと捉えているのだろう。
「今大会は無観客ですけど、学校の仲間が会場で応援してくれるし、それに応えたり、お互いに励ましあったりしてインターハイという時間を共有しています。それが楽しむということです」
 そう言うと、観覧席から手を振る同級生のもとへ駆けていった。


男子100m平泳ぎを制し、ガッツポーズを見せる佐藤(写真◎スイミング・マガジン)

 大会はいよいよ明日、大会最終日を迎え、男女個人4種目とリレー2種目で決勝が行われ、学校対抗で男女それぞれの順位が決まる。


★本日の優勝者(3日目/8月17日)

【男子】
▼1500m自由形
1位/仲光 陸遥(九州学院2年)15.26.48
▼200m背泳ぎ
1位/小東 真皓(四條畷学園2年)2.00.22
▼100mバタフライ
1位/光永 翔音(日本大豊山2年)53.31
▼100m平泳ぎ
1位/佐藤 洋輔(武蔵野3年)1.01.32
▼800mフリーリレー
1位/日本大豊山 7.27.32
満園瑛、錦織孟徳、武井律己、池上泰正

【女子】
▼800m自由形
1位/花山 彩良(豊川2年)8.47.65
▼200m背泳ぎ
1位/弘中 花音(四條畷学園2年)2.11.58
▼100mバタフライ
1位/大嶋 千桜(四條畷学園2年)59.37
▼100m平泳ぎ
1位/小畠優々美(白鵬女子2年)1.08.31
▼800mフリーリレー
1位/神戸野田 8.13.83
澤野莉子、板谷紗瑛、浅尾萌々香、片山珠里

※スイミング・マガジン10月号(9月10日発売)では予選をふくめた全リザルトを掲載予定。
リレーも4人全員のフルネームとともに掲載いたします!

文◎佐藤温夏(ライター)

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