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2020-04-10

村田諒太が今と今後を語る

WOWOWでは13日放送の『エキサイトマッチ』でWBA世界ミドル級チャンピオン、村田諒太(帝拳)のこれまでの戦いを特集する。番組終了後、WOWOWがインタビューしている。新型コロナウイルス流行の影響下、スター選手の生の声を聞く機会はほとんどない。WOWOWから届けられたインタビューのほぼ全文を掲載する。

写真上=厳しい状況を抜け出したら、ファンが見たいと思う試合をやりたい

できるのならカネロ、できないのならだれもが喜んでくれる相手と

──(番組の)収録を終えて、ご自身の試合を振り返ってみていかがでしたか?

村田 長くやってきたなという気もしますけど、振り返ってみればあっという間です。もっとこうすればいいな、ああすればいいなって思うところもあるので、そう思えるということは、まだ伸びしろはあると思いますね。

──村田諒太というボクサーはどのようなボクサーでしたか?

村田 ガードは固いし、パンチはありそうだなという感じです(笑)。そこで勝負していくしかないのかなという気はします……。もうちょっと上半身の柔らかさはあってもいいのかなと。あまりにも上半身が動きがないので。(防御は)ブロック、ブロックばかりなので、柔らかさがあればと自分の試合を見て思いました。

──ということは、まだまだ伸びしろはありますね?

村田 そうですね。ただ、スポーツはなんでもそうなんですけど、(これがいいと思っても)その全部が全部を選び取れないんです。取り引きです。だからそれ(上体を柔らかく使って守るという方法)を選んだら、今のガードをガチっと固めているの手段がなくなります。そこは試し試しという感じですね。

──(新型コロナウイルス流行の影響で試合が世界各地で延期になっている)状況ですが、ご自身の年齢も考慮して焦りはありますか?

村田 なくはないです。では、これが28歳だったら焦らないのかというとそうでもない気がします。年齢うんぬんというか、この状況がいつまで続くんだろうという不安に関しては、それはもう皆さまと一緒の状況で……。今、何ができるかと考えたら、ボクサーとして活動ができるように、最低限の衰えで抑えたい、と。(今の力を)完全にキープはできないでしょうが、どれだけ保てるかというところだと思います。

──今一番戦いたい選手というのは?

村田 やっぱりカネロと一番に戦いたいですけど、スーパーミドルに上げちゃっています。現実味がないのであれば、ゴロフキンでもいいと思いますし、別にそうでなくてもいいとも思います。ただ、誰と防衛戦をしていっても盛り上がるかというとそうではないような気もしまう。名前がある選手とやって、お客さん、ファンの方々が見たいという試合をしたいですね。そうであれば相手は誰だっていいです。

──カネロ対サンダース戦について予想をお聞かせください。

村田 サンダースの出来具合だと思います。サンダースがレミューとやった時の動きができるんだったら、カネロは大苦戦すると思います。サンダースの出来が良くないとしたらKO負け、普通に考えれば、小差判定でカネロということになりますか。

「気持ちを切り替えて、家族といる時間を大事にしたい」

コロナ流行に対しては、気持ちを切り替えて立ち向かうだけ

──新型コロナウイルス感染拡大がスポーツ界や社会に大きな影響を与えている現状についての思いはどうですか?

村田 スポーツ界がどうとか言っている場合じゃないと思います。社会全体の問題です。誰かがどう動こうとしても何もできない。感染が拡大しないように、それぞれが意識を持つしかないですよね。

──そういうなかで、東京五輪も1年延期になりました・

村田 ここにピークをもってきた選手はいっぱいいると思うんです。何ヵ月、何年も前からここに向けてやってきたので、1年延期となったら、気持ち的にもすごく難しいと思います。逆に2021年の方がいいっていう選手もいるのかもしれない。だれもが同じ条件というか、同じように延期になったわけです。オリンピックに縁のある選手が活躍するとしか言えないですね。だって、僕が生きている間でなかったことすから。今回は全国民が感じている危機感なので、だからこの状況に対して、オリンピックがどうとかこうとか、もう歴史にないことが今起こっているわけなので、それに対して、ああするべきだ、こうしましょう、とは言えません。

──(オリンピック延期をうけて)もし今、後輩にかける言葉があるとしたら?

村田 何にしたってオリンピックに出て、そこで活躍することで得られるメリットというのはすごく大きいので、それは間違いありません。だったら、それを目指すだけです。みんな、そういう気持ちだと思いますよ。

──学校が休校になったり、外出自粛が求めらている状況が子供たちに与える影響など、2人の子供を持つ父親として感じることはありかますか?

村田 影響は大きいですよね。ただ、ネガティブに捉えてもしょうがありません。子供とこんなに長時間一緒にいるのはなかなかなかったので、今は家族で一緒に過ごす時間を大事にしています。

──帝拳ジムが休館されていますが、どこでどのような練習をしていますか?

村田 自分のできる範囲で、最低限サビないようにしているという感じです。

──この期間のプラス面、マイナス面などどう捉えていますか?

村田 いろんなところで痛いところとかあったりするので、そういう意味ではそこを一度治す、リセットするいい機会かなと思います。マイナス面は、やっぱり34歳ですので、一度落ちたらなかなか復活できる年齢ではないと思っています。まして、ボクシング的には今がピークに来ている時期と思っているので、それを逃ががしたくない。そのための日々の過ごし方をしないといけないなと思います。

──次戦はビッグマッチかという話もありますが、モチベーションを保ち続ける方法というのはありますか?

村田 家族と過ごせる時間がることを感謝しながら、気持ちを切り替えていくしかないですよね。ウイルスへの対策をし、日常を過ごしていくしかないですね。

──村田さんの勇姿を再び見られる日を待っているファンへメッセージをお願いします。

村田 せっかくこの2試合をいい感じでこれているので、また、そのボクシングが見せられるように、いまはなかなか行動をとりづらい時です、できる範囲でサビないようにして、来るべき時に来るべく試合に備えておきます。

インタビュー・写真◎WOWOW提供
(ボクシング・マガジン編集部で、わずかに編集しています)

番組は13日(月曜日)午後9時より放送される

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