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2022-09-01

スマイルスポーツ・アスリートインタビュー 【卓球】早田ひな「2024年のパリオリンピックで金メダルを獲りたい」

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東京2020オリンピックではリザーバーとして参加。悔しさとともに貴重な経験もした早田選手は満を持して2024年のパリオリンピックに挑む(写真:スマイルスポーツ)

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早田ひな選手は同級生の伊藤美誠選手、平野美宇選手とともに、10代の頃から世界のトップで活躍してきた実力者。2022年の全日本卓球選手権ではシングルス準優勝、女子ダブルス、混合ダブルスを制し、三冠まであと一歩に迫った。2024年パリオリンピックでの活躍にも期待がかかる早田選手がスマイルスポーツ誌に卓球にかける思いを語ってくれた。


 ――7月11日~17日に開催された「WTTスターコンテンダーヨーロピアンサマーシリーズ」のシングルスでは、東京2020オリンピックの金メダリスト・陳夢選手とフルゲームの激闘でしたね。

「勝ってもおかしくない試合だったので、悔しい気持ちが大きいです。陳夢選手とは2019年以来対戦がなく、その時とは私の卓球が変わっています。相手が東京オリンピックの金メダリストとはいえ、今の自分だったらチャンスはあるかもしれないと思って試合に臨みました。試合の入りもすごく良かっただけに、勝ち切れなかったという悔しさがあります。最後の1点を取って勝ち切れる力をつけていかないといけないなと痛感しました」

 ――陳夢選手に限らず、中国人選手は日本人選手にとって大きな壁です。打倒・中国という部分で、早田選手が感じている手応えや課題はありますか?

「中国人選手は対戦すればするほど、研究して対策をしてきます。それによって手の内を知られる前よりも、勝ちにくくなっていくと思います。それでも上回れる技術力の高さだったり、追いついていける精度の高さだったりというものを、もっともっと極めていかないといけないと感じています。対策されたとしても、それが大きな弱点にはならないくらい、穴のない選手になっていかないといけません」


欧州から帰国してすぐのTリーグ「ノジマカップ」では決勝で平野美宇を破り優勝。その目はすでに2年後のパリを見据えている(写真:Getty Images)

――昨年の東京2020オリンピックには、リザーバーとして帯同しました。こうした形で経験したオリンピックの舞台はいかがでしたか?

「今まで経験してきた中で一番濃い大会であり、オリンピックとは誰もが一番憧れる舞台なんだなと感じました。もちろん、選手としてこの舞台を経験したいという気持ちはありましたが、サポートという立場で、出場選手の目線とはまた違った感覚で、2週間の東京オリンピックを経験できたことは、自分にとってプラスになったと思います。今まで感じたことがないサポート側の難しさや、選手との接し方や駆け引きも勉強になりました」

 ――選手との接し方や駆け引きというのは?

「試合の合間にどうやって話しかけるのか、あるいは話しかけないほうがいいのかという、そういった駆け引きはサポートならではの難しさがありました。私に“チームひな”として関わってくれている方々は、毎試合そういう感覚でサポートしてくれていると思うと、改めてありがたいことだと実感しました。そして、結果でしか恩返しできないと思っているので、もっと頑張りたいという気持ちが強くなりました」

 ――外からオリンピックを経験して、選手として出たい思いが大きくなったのではないですか?

「やはり“オリンピック”という冠がつくだけで、一人ひとりの気合いだったり、気持ちの入れ方だったり、そこにかけてきた強い思いが、一本ずつのプレーに出ていると感じました。私自身がオリンピックに出たいという気持ちもあるのですが、その舞台で勝ち切る力というのは、自分が想像しているよりも遥かに上だなと感じました。緊張の仕方がオリンピックならではのものであり、サポートという立場でもその場の雰囲気を経験できたことは、今後自分が選手としてオリンピックに出た時には、とても生きてくると思いました」


早田選手は高身長とともに、自身の武器は「左利き」と言う。フォアハンド、バックハンドともに強烈な打球で相手を翻弄する(写真:Getty Images)

――東京オリンピックの舞台は東京体育館でした。卓球にとっては聖地とも呼べる東京体育館の思い出を教えてください。

「東京体育館は毎年、全日本卓球選手権が開催されています。私が初めて出場したのは小学4年生の時でした。卓球をやっている人なら誰もが憧れを持っている東京体育館での全日本選手権なので、そこに出ることができた嬉しさがすごく大きかった思い出があります。他にも小学5年生の全国ホープス団体戦の会場が東京体育館で、この時は所属していた石田卓球クラブが優勝しました。日本で一番大きな大会をやるイメージがありますし、会場の規模も大きいですし、緊張感や臨場感もあって、いつも東京体育館の雰囲気は独特だなと感じています。2020年に私が全日本選手権のシングルスで優勝した時は、会場が大阪だったんです。だから東京体育館で優勝することができたら嬉しいだろうなと思いますし、それくらい特別感がある会場です」

 ――早田選手はダブルスも非常に強い選手ですが、強さの秘訣はご自身で分析できますか。

「一つは左利きということだと思います。左でフォアハンドを打って、動いてということができるタイプなのが強みです。ダブルスはコートの右側から対角線にサーブを打つところから試合が始まります。その状態で構えた時に私は、得意のフォアハンドドライブを打ちやすい体勢をつくれます。女子ダブルスでは伊藤選手の多彩なサーブから、私の3球目で一気に攻撃を仕掛けられるという強さがあると思います。ミックスの場合は、男子選手にも通用する両ハンドドライブと回転量がありますし、引き合いになっても動くことができます。そこに対応できるかできないかで違ってくるので、こういう部分が自分の強みだと思います」
 
――では最後にこれからの夢、目標をお願いします。

「卓球の目標としては、2024年パリオリンピックに出て金メダルを獲りたいというのが一番です。日本のレベルは高くなっているので、パリオリンピックに出るためにも、目の前の試合を一戦、一戦、勝ち抜いていくという気持ちで頑張ります。技術的な部分だったり、人としての部分だったり、自分は将来こういう選手になりたいという理想としているプレースタイルがあるので、その理想像に少しでも近づけるように毎日の練習を頑張っていきたいです」



こちらに掲載したインタビューのほか、Tリーグの魅力や見どころカラー4ページにわたる早田ひな選手のロングインタビューは、9月1日に(公財)東京都スポーツ文化事業団が発行した『スマイルスポーツマガジンVol.91』に掲載されています。

 

はやた・ひな
2000年7月7日生。福岡県出身。日本生命レッドエルフ所属。4歳から卓球をはじめ、早くから国内外の大会で実績を残す。2021年のアジア卓球選手権ドーハ大会では女子シングルス、混合ダブルス、女子団体で3つの金メダルを獲得。2022年の全日本卓球選手権では女子ダブルスと混合ダブルスの二冠に輝いた。Tリーグでは2018-19シーズン、2020-21シーズンでMVPを獲得している。

 

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スマイルスポーツ誌のインタビュー特別編!
早田ひな選手の素顔が分かるQ&Aインタビュー動画と読者の皆様へのメッセージはこちら



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