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2022-09-10

【日本インカレ】U20世界選手権女子ハンマー投銅メダリストの村上来花(九州共立大1年)が大会新で制覇

8月のU20世界選手権女子ハンマー投で銅メダルを獲得した村上は大会新でルーキー優勝を果たした(写真/中野英聡)

9月9~11日、たけびしスタジアム京都で開催中の日本インカレ。ケガを乗り越えた女子ハンマー投U20日本記録保持者が大会新記録で復調をアピールした。

希望の光が見えた感じがしました

女子ハンマー投は、ルーキーの村上来花(九州共立大)が優勝を果たした。投てきの強豪である九州共立大の多数の仲間たちがスタンドで見守るなか、力投を見せた村上は、「高校のとき以上に、チームの応援がパワーになりました」と笑った。

「最近は投げが安定してきて、そろそろ記録が出るのではないかと思っていた」といい、1投目からシーズンベストの61m76を投げてトップに立った。5投目には、自身が持つU20日本記録の62m88に迫る62m72をマークして、大会記録を6年ぶりに更新。「投げ終わった後、これはいったな、とは思いましたが、62m72まで出るとは」とやや驚いた様子だったが、「ケガをしてから、長かったようで短かった。自己記録への前兆というか、希望の光が見えた感じがしました」と好感触をつかんだ。


村上はシーズンベスト、2位の渡邉ももこ(筑波大4年、左)、3位の西村南(京産大3年、右)もそれぞれ自己ベストで表彰台に上った(写真/中野英聡)

弘前実高(青森)3年生だった昨年は、4月に先述のU20日本記録を樹立した後、日本選手権で高校生としては24年ぶりのメダル獲得となる3位に入り、インターハイとU18大会で優勝を飾った。しかし、11月にヒザの靭帯を断裂するケガに見舞われ、復帰するまでに時間がかかった。大学入学後、すぐに本調子に戻すことはできなかったが、6月のU20日本選手権を制したあたりから復調。8月にコロンビア・カリで行われたU20世界選手権では、銅メダル獲得を成し遂げた。

カリで戦った海外勢は、村上より身長が低くても体格が良い選手、技術が粗削りでも体が大きな選手ばかりだったといい、自身もこの冬期に筋力をつけ、体を大きくしなくてはいけないと実感した。それでも、「世界をこの目で見て、体で体験してきました」と貴重な経験を積んだ。カリでの現地練習では、63~64mあたりまで飛んでいたという。足元の動きを定着させることなど、技術面を修正すれば、今季中の大幅な記録更新も可能だろう。

ケガを乗り越え、世界大会のメダルと国内タイトルを手にした村上。高校時代よりも、自信に満ちた笑顔が印象的だった。

文/石井安里 写真/中野英聡

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