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2022-09-11

【日本インカレ】大接戦の女子100mHで初の表彰台。福島千里コーチの指導を受ける本田怜(順天堂大3年)が飛躍

主要全国大会で初の決勝に進出しただけでなく、表彰台に立った本田は晴れやかな笑顔を浮かべた(写真/早浪章弘)

9月9~11日、たけびしスタジアム京都で開催中の日本インカレ。2日目の女子100mH決勝、同タイム着差ありの接戦で2位入賞を果たした本田怜(順天堂大3年)。日本記録保持者の福島千里さんの教えを受けて今季飛躍を遂げ、大舞台で初の表彰台に立った。

決勝は今季一番の出来

大接戦となった女子100mHは、田中きよの(駿河台大3年)が13秒44(-0.4)で優勝。同タイムながら、着差で本田怜が2位に続いた。序盤からリードした田中を、本田は5台目あたりから追い上げた。

「全国大会の決勝も初めてだったので、この結果はうれしいです。予選で1台目の入りがうまくいかなくて、準決勝のウォーミングアップも調子が悪かったのですが、決勝は今シーズンで一番ハマったと言えるくらいのレースができました。でも、もう少しで勝てたんだな、という贅沢な気持ちもあります」

優勝にわずか1000分の7秒届かなかったことに悔しさをのぞかせながらも、本田は満足そうな表情を見せた。

今年5月の関東インカレは3位。これまで、牛久高(茨城)3年時の2019年に全国高校選抜大会の100mYHで2位に入っているものの、全国のトップ選手が集結する主要大会の100mHで決勝に進んだのは初めて。高校3年時のインターハイ、そして昨年の日本インカレでは共に準決勝止まりだった。

それが今回は大舞台で表彰台に立っただけでなく、7月に出した自己記録の13秒53を更新し、目標だった13秒47の茨城県記録を塗り替えるなど、タイムもついてきた。


走力アップに重点を置いた今季、自己ベストを大幅に更新した(写真/中野英聡)

福島千里さんから得た学び

今季、記録が伸びた要因は、走りに重点を置いたところだという。100m、200mの日本記録保持者で、1月に引退した福島千里さんが順天堂大のアシスタントコーチに就任。「私は女性のコーチに教わるのが初めてだったのですが、女子選手ならではの体の使い方や、走りの細かい技術、ドリルなどをとても分かりやすく教わっています」と、多くのことを学んでいる。女子選手は男子選手ほど出力が高くない分、トレーニング量を調整。ウェイトトレーニングでも、ただ重いものを持つのではなく、軽くしても回数を増やすなど、福島さんは各選手に適した練習メニューを提供してくれるそうだ。

今季はもう、ハードルでは主要大会に出場しない予定で、「来年は関東インカレと日本インカレで、表彰台の一番高いところを目指したい。記録的には、大きなことを言うと学生記録(13秒15)を塗り替えたいです」と本田。今季が始まる段階での自己記録が13秒75で、そこから0.3秒縮めた。同じように、現在の13秒44から0.3秒伸ばせば、学生記録に届くと考えているのだ。

トップアスリートの直接指導に感化され、飛躍を遂げた本田。まだ伸びしろは大きい。


1000分の7秒差の決着となった女子100mH決勝。優勝した田中(右)と健闘をたたえあった(写真/早浪章弘)

文/石井安里 写真/早浪章弘、中野英聡

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