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2022-09-12

【日本インカレ】「来年は競技場を臙脂で染める」田中天智龍(早稲田大3年)が男子400mH早大勢連覇を達成

今季3度目の自己新で優勝した田中。早大勢としてはこの種目連覇を達成(写真/中野英聡)

9月9~11日、たけびしスタジアム京都で開催された日本インカレ。大会最終日の男子400mH、田中天智龍(早稲田大3年)が今季日本ランキング2位の49秒20で制し、昨年の山内大夢(現・東邦銀行)に続き、この種目の早大勢連覇を達成した。

8月に初の49秒台突入

男子400mHは昨年6位の田中天智龍が、今季日本ランキング2位となる49秒20で自身初の全国制覇を飾った。1つ内側のレーンを走る豊田兼(慶應義塾大2年)が前半から飛ばしたが、後半に自信を持っていたという田中は10台目のハードルを越えたところで逆転。最後は2位の豊田に0秒56差をつけた。

「目標タイムが49秒20だったので、ピッタリで驚きました。10台目で並んで、最後に競り合ったら勝てると思っていました。豊田君が前にいてくれたおかげで、僕も脚が動いたのだと思います」

田中はライバルの存在に感謝しながら、喜びを語った。今季前半は不調で、思うように結果を残せず。5月の関東インカレは予選落ちで、「チームに貢献できなかった」と振り返る。その後は、右ハムストリングスと左ふくらはぎを肉離れ。ただ、ケガをしている間に、ウェイトトレーニングで体づくりから見直したことが功を奏した。下半身を動かせなかったことから、上半身を鍛えて腕振りが安定してきたという。夏を鍛錬期と位置づけ、「日本インカレで必ず表彰台に上る」と決意して、練習に取り組んできた。8月11日の日体大競技会で49秒71と初めて49秒台に入ると、27日の富士北麓ワールドトライアルでは49秒45をマーク。今大会で、さらに自己記録を伸ばした。


10台目を越えた後、先行する豊田兼(慶應義塾大2年)を逆転。初の全国優勝を決め、右手を突き上げた(写真/早浪章弘)

大学4年で世界大会へ

これで、早稲田大としては昨年の山内大夢(現・東邦銀行)に続く2連覇となった。早稲田大は昨年、この種目で男女6人全員が決勝進出という快挙を成し遂げている。「もう一度、決勝に6枚そろうよう、僕が引っ張っていかないといけないと思います。来年は競技場を臙脂で染められるようにしたいです」と田中。そして、個人としては48秒台、さらには国際大会出場を目標に掲げる。

 「48秒台は目指すべきタイムであると思いますし、来年はワールドユニバーシティゲームズや世界選手権に出て、世界と戦えるように頑張っていきたい」

鹿児島南高(鹿児島)では2年時のU18日本選手権3位が最高実績で、インターハイでは入賞していないが、早稲田大で先輩の背中を追いかけて、世界を視野に入れるところまできた。昨夏の東京五輪に出場した山内と同様に、大学4年での世界大会出場を目指して、課題である最大スピードを強化していく。

文/石井安里 写真/中野英聡、早浪章弘

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