close

2020-02-14

【ボクシング】福永亮次が殊勲のタイトル奪取 サルダールをボディ攻撃で切り崩す

14日、東京・後楽園ホールで行われたWBOアジアパシフィック・スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦は、同級4位の挑戦者・福永亮次(角海老宝石)がチャンピオンのフローイラン・サルダール(フィリピン)に7回1分40秒TKO勝ちを収め、タイトルを獲得した。サルダールは初防衛に失敗。

写真上=動きの鈍ったサルダール(左)を攻める福永

 角海老宝石ジムに移籍して2戦目でもたらされたチャンスを、33歳の遅れてきたホープがものにした。これまで11勝11KO(4敗)の強打を誇る福永だが、世界にも挑んだサルダール(31勝22KO2敗1分)とのキャリアの差は歴然。失うものがない強みを一発勝負で発揮した。

 サルダールは右、サウスポーの福永は左と、互いに利き腕からのストレートを強振するKO必至の立ち上がり。福永は「思ったより距離が遠くて、やりにくかった」というサルダールに的中率で劣り、まずはリードを許した。4回にはサルダールの左で右目下がみるみるうちに腫れ上がり、ストップの危機感を募らせる。

 だが、幸運にも視界に影響はなかったという福永。足を使ってサルダールの追撃をかわしていたが「このままでは無理やな」と、6回からボディ攻撃を徹底すると、サルダールは木村翔の世界王座に挑んだときと同様、急激に失速。7回には連打から右アッパーを腹に受けてヒザから崩れ落ちる。再開後、福永の渾身のラッシュにコーナーで無抵抗になったところで、レフェリーが試合を止めた。

新チャンピオンは喜びよりも反省を口にした

 殊勲の勝利で世界ランキング入りも決定づけた福永だが「レベルが低すぎて、世界とか言えない」と喜び以上に反省。大きく腫れた右目を冷やしながら「もっと練習して、試合で出せるようになりたい」と眼前の課題を口にした。

文◉藤木邦昭
写真◉ワンダン・ダワー 

おすすめ記事

ボクシング・マガジン 2020年3月号

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事