5月にも実現との観測が流れていたWBA世界ミドル級チャンピオン、村田諒太(帝拳)とスーパースター、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)戦はなくなったことがわかった。関係者は秋の実現を目指している。
上写真=最上の王座を目指す村田のカネロ挑戦は秋以降になった。
アルバレスの次戦として有力視されていたビリー・ジョー・サンダース(イギリス=WBO世界スーパーミドル級チャンピオン)戦がなくなったことで、にわかに実現の可能性が高まっていた村田との対戦だが、5月開催の線がなくなったことが、関係者の話から分かった。
対村田戦については、カネロのプロモーターであるゴールデンボーイ側が積極的だった。帝拳ジム側も会場に5月24日のさいたまスーパーアリーナを押さえ、本田明彦会長が渡米。最終交渉にあたっていたが、カネロ本人に近いサイドが難色を示して、いったん交渉を中止したもの。
カネロは昨年11月にライトヘビー級にウェイトをあげて、強豪セルゲイ・コバレフ(ロシア)をノックアウト。このクラスのWBO世界チャンピオンになっている。関係者の多くは、それから一気に6キロ以上も体重を落とし、ミドル級で戦うことには慎重な意見が多かった。また、5月上旬はメキシコ最大の祭日『シンコ・デ・マヨ』にあたり、毎年、メキシカンがらみのビッグマッチが北米で開催される。同じ時期に日本で試合をすることに対しても、難色を示す関係者も少なくなかったとも伝えれれている。
一時は日本行きに大いに乗り気と伝えられたカネロだが、それらの事情をくんで、村田戦の実現は最後の最後で途切れさせたのだろうか。
本田会長は今後も交渉を継続し、秋にも日本で村田対カネロ戦を実現させたい意向だ。
カネロは400億円を超える報酬でDAZNと契約する現代最高のボクサーのひとり。コバレフに勝って4階級制覇とともに、世界王座3階級同時制覇も成し遂げ、報酬にふさわしい実力を証明している(ライトヘビー級王座は返上。現在はWBAスーパー世界ミドル級とWBAレギュラー世界スーパーミドル級のタイトルを保持)。村田戦がなくなったことで、5月2日、ラスベガスでWBAスーパー世界スーパーミドル級チャンピオンのカラム・スミス(イギリス)との対戦が最有力になった。
文◎宮崎正博 写真◎ゲッティ イメージズ
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